大倉智社長「双葉郡を盛り上げたい」 いわきFC・本拠地拡大

 
「4年間の経験を生かして双葉郡も盛り上げたい」と語る大倉社長

 いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(50)は、福島民友新聞社のインタビューに応じ、本拠地(ホームタウン)をいわき市から双葉郡まで拡大する狙いについて「復興のシンボルとしてJヴィレッジもある。試合だけでなく、スポーツを切り口にした健康教室などを開き、今まで積み上げてきた4年間の経験を生かして双葉郡を含めた地域を盛り上げたい」と語った。

 ―なぜホームタウンを拡大するのか。
 「いわき市で活動を始めて5年目に入る中、被災地の現状を知り、われわれとしてやるべきことがさらに見えてきた。復興という同じ道標に向かう上で、手を携えて前に進むのは必然の答えだった」

 ―Jヴィレッジとの連携も進みそうだ。
 「"サッカーの聖地"とされるJヴィレッジの再開は大きく、段階的に選手が戻るJFAアカデミーやふたば未来学園との連携などスポーツを通じて貢献できることは多い。いわき市を含めて、結果的にスポーツが盛んで人材育成にたけた地域にしていきたい」

 ―双葉郡の住民に対してどんな支援が考えられるか。
 「いわき市で取り組んでいる子どもたちの運動教室や高齢者向けの栄養教室など、8町村それぞれの課題と向き合いながら、古里に戻ろうというきっかけの一つになるような環境づくりに役に立ちたい」

 ―ホームタウン拡大をきっかけにいわきFCをどう発信するか。
 「いわきグリーンフィールドとJヴィレッジの二大拠点でJ3昇格を目指して躍動する姿を見せることでいわきFCを知ってもらいたい。心揺さぶるフットボールでいわき市、双葉郡、そして福島県が前に進んでいることを示したい」

 ―サポーター、9市町村の住民にメッセージを。
 「いわきFCの存在が地域の希望、そして皆さんの好奇心を駆り立てる存在になりたい。誰もがわがまちを誇れるように、強い信念と揺るぎない覚悟で進んでいく」