【コラム】WALK TO THE DREAM-52 Jリーグ

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長 

 日本フットボールリーグ(JFL)開幕を3月15日に控え、今回のコラムでは自分自身とJリーグについてお話ししたい。

 柏で見た夢いわきでも

 Jリーグ発足が1992(平成4)年。早稲田大に入学した88年には「日本にプロサッカーリーグができるらしい」といううわさを耳にし始めた。卒業を翌年に控えた91年には、参戦するいわゆる「オリジナル10(テン)」チームが決まった。

 大学生でスカウトの対象となったのは一つ上の年代から。一緒に練習した先輩たちが「プロサッカー選手」になっていく。4年の時にユニバーシアードに選ばれ、日の丸を背負って戦った同期も全員プロに。自分は社会人としてサッカーを続けることを決め、日立製作所(日立)に就職した。

 Jリーグは初年度から人気を集め、社会現象化した。日立も参入を決断。94年に日本サッカーリーグ(JSL)で2位に入り、95年に柏レイソルとしてJリーグに昇格することになる。

 昇格前夜、Jリーグ入りを目指して行政も経済界も熱い議論を交わしたと聞いている。テーマは「サッカーを通していかに柏を盛り上げるか」。いわきFCを取り巻く現状のいわき市とどこか通底するものがある。

 昇格で周囲の状況は一変した。JR柏駅前で行った昇格パレードは市民の熱気であふれ、JSL時代には200人程度しか集まらなかった試合会場は1万5千人もの観客で満杯になった。FWだった自分は点が取れない試合が続くとサポーターに自宅まで押し掛けられ、3回も引っ越した。

 選手、そして運営する側として長くサッカーに関わってきた経験から、Jリーグチームに求められるのは勝つだけでなく、地域と共に戦い感動を共有することだと知った。柏で見た夢をいわきでも実現するための戦いが間もなく始まる。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。50歳。