【コラム】WALK TO THE DREAM-53 本拠地拡大

 

 ◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆双葉郡と交流、懸け橋に

 チームの本拠地(ホームタウン)をいわき市に双葉郡8町村を加えた9市町村に拡大することとした。日本フットボールリーグ(JFL)に挑むに当たり、チームの存在意義である「復興と地方創生」をより前面に打ち出していく。

 本来、JFLまではホームタウンを明確に定義する必要はない。将来的な日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)入りには「Jリーグ百年構想クラブ」承認が条件で、そこで初めてホームタウンを示す必要が生じる。

 なぜ、ホームタウンを拡大するのか。いわきFCは東日本大震災からの復興に寄与することを目的に誕生したチームだ。毎年、選手とスタッフが東京電力福島第1原発を視察するなど、被災地の復興進展を見つめてきた。避難指示解除地域の拡大やJR常磐線の全線再開など双葉郡の状況が大きく変化する中で、広域的な連携の懸け橋になれればうれしい。

 具体的な活動としては、いわき市で進める子どもたちのスポーツ教室や高齢者向けのヘルスケア教室などの取り組みを展開する予定だ。小中学校で、いわきスポーツクラブのノウハウを生かしたスポーツプログラムを実施することも不可能ではない。行政だけではなく、町村の各種団体などとも意見を交わしながら、何ができるか模索していく。

 チームは「スポーツによる社会価値の創造」をビジョンに掲げている。ホームタウン拡大が交流人口の増加など地域の活性化につながればうれしい。Jヴィレッジで再開するJFAアカデミーやふたば未来学園との連携も視野に入れたい。

 JFLのホームゲームのうち、4試合はJヴィレッジで開催する。双葉郡の皆さんにも来場していただき、いわきFCの「魂の息吹くフットボール」で喜んでもらいたい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。50歳。