【コラム】WALK TO THE DREAM-54 コロナ禍の覚悟

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆再び地域を支える力に

 世界的な新型コロナウイルス感染拡大でスポーツどころではないという状況になった。会社も活動を自粛せざるを得なかったが、オンラインのトレーニングイベントや、フィールドに車を入れて体を動かすイベントを開催して、「密」にならない工夫をしながらできることを模索している。

 試合ができない場面に直面して、将来のスポーツ興行がどうなっていくのか。無観客という新しい選択肢も出てきている中での興行の在り方など、今は答えを持ち合わせていない。どのようにして人の心に響かせるか、効果的な手法を探りながら見つけていかないといけないと思っている。

 収束が見通せないが、世の中の動きを戻すには文化やスポーツの力がすごく心の支えになるということは東日本大震災などの大規模災害でも証明されている。私たちも株式会社として経済を戻すことと、サッカーという試合を通じて前に進む力を皆さんに与えなければならない使命がある。経済再生と地域へ果たす役割の達成を覚悟に活動する。

 外出自粛が求められた中で、施設が自前だったのは大きな利点だった。毎日の検温や行動記録の報告はもちろん、選手をグループ分けして3密を避けながらトレーニングを続けられた。ルールを決め、個人が体づくりに向き合う良い機会と捉え、実際に効果もあった。窮地に置かれて実行した工夫が成果につながった。

 6月に入ってからは全体練習も徐々に再開できるようになった。7月18日の開幕まで、チーム戦術も含め再度チーム作りをしていきたい。コロナ禍で選手の意識は非常に高くなった。現状に向き合い、体を動かせる喜びと感謝を感じながら日々過ごしている。選手たちはみんな若いし、一回りも二回りも成長できる雰囲気がチームに漂っている。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。