【コラム】WALK TO THE DREAM-55 JFL開幕へ

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆再び地域を支える力に

 新型コロナウイルス感染症の影響で中断していた国内のプロスポーツが動き始めた。私たちが初挑戦するJFLは約4カ月遅れで18日にいよいよ開幕するが、Jリーグやプロ野球は一足早く再開、そして無観客開催を経て5千人を上限に観客を入れて公式戦を行っている。

 いち早く無観客で始まったプロ野球をテレビで見る機会があった。普段聞こえない音や選手の声がはっきりと聞こえ、それはそれで新鮮だった。それ以上に、やはり日常にスポーツがあるということは大事だということをあらためて感じたし、Jリーグ、サッカー界も野球界に負けずに頑張らないといけないと思った。

 コロナ禍で最優先に立て直さないといけないのは経済。経済を立て直すには人の力が必要で、その人の心を支えるのはスポーツであり、文化だということも再認識させられた。自分たちの株式会社、地域経済を立て直すのと同時に、人の心の支えになるという使命感も持った。

 そう考えると立ち止まって考えるいい機会だった。コロナ禍の外出自粛で身動きが取れなくなった初めのころは、スポーツの存在意義が見つけられなかった。正直、なにもできないのかと思ってしまったこともある。世界の危機的状況下では文化、スポーツの優先度は低くなってしまうのかと悲観的になったりもした。

 誰も守ってあげられない、と思ったが、今は大事なピースと確信している。だからこそ、無観客での開幕にはなるが、18日は生配信するなど魂の息吹くフットボールを見せて「やっぱりいわきFCって面白い」と感じてもらう。コロナに向き合っている皆さんの明日へ、少しでも活力を与えられるように。スポーツを生業(なりわい)としているわれわれとしては、それが一番のやりがいになる。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。