「新緑の香り」疲労軽減に効果 ロート製薬×いわきFCの研究成果

 
香りをかぐいわきFCの片山。昨年6~10月に延べ118選手のデータを分析した

 サッカーJFLのいわきFCを運営するいわきスポーツクラブと、香りの研究を行うロート製薬の「ベレアラボ」が共同で行ったスポーツと香りに関する検証結果が17日、まとまった。グリーン(新緑)の香りが精神・身体的な疲労軽減に有効で、スポーツ選手のパフォーマンス向上の心理サポートに効果があるとのデータが立証されたとしている。

 ベレアラボなどは、香りを使った選手のサポートを継続するほか、選手だけでなく来場したファンも体感できる取り組みを進める。

 グリーンの香りを使用した選手延べ56人、しない選手延べ62人の結果を集計し、試合前、試合後の選手の精神・身体的な変化を分析した。疲労の度合いを選手に回答してもらい、心理評価を行った。

 結果、香りをかいだ選手は「緊張している」「不安だ」などの精神面で否定的な要素は、試合前、試合後ともに減少。また「ぐったりする」「体が重い」などの身体面で否定的な要素は、試合前の方が大きく減少した。ベレアラボなどは「試合の前後や、合間に取り入れることは有効」と結論付けた。

 検証は昨年6~10月、東北社会人リーグ1部のホーム戦8試合で行った。ベレアラボが調合した香りを試合前やハーフタイム、試合後に選手がかぐなどした。

 8試合全てに出場したMF前田尚輝は「ロッカールームの香りが練習と試合の区別になったり、香りで試合のスイッチが入って集中できたりした実感がある」とコメントした。