【コラム】WALK TO THE DREAM-56 JFL開幕戦

 

◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆相手の対策に負けない

 約4カ月遅れで7月18日にJFLが開幕し、いわきFCは奈良クラブに逆転勝ちした。新型コロナウイルス感染症の影響で試合数が半分になって、どのチームも15試合一発勝負に懸けてくることを考えると、例年のJFLにはない戦いが見られると思う。ぼくらにとっても非常に大事な一戦で集中した一日だった。

 試合は予想通りとはいかなかった。相当研究されていて、開始15~20分くらいは選手の動きにとまどいがみえた。早々の失点だったが、逆に時間があったので選手は落ち着けたかもしれない。終始ボールは握っていたし、徐々に走力にも差がでてきていたので時間の問題と思ってはいた。

 ぼくらは自分たちのフットボールを追求していくだけ。当然、今まで以上に研究されるだろう。それでも負けない強さを付けていかないと上のカテゴリーではやっていけない。岩渕と鈴木の前線の2人が確実に決める強さも見せられた。結果的に自分たちのフットボールをしっかりと体現できた初戦だった。

 会場がJヴィレッジスタジアムだったことにも縁を感じた。リモートマッチにもかかわらず協賛を決めてくれた地域連携団体「HAMADOORI13」にも感謝しているし、双葉郡にホームタウンを広げたのも含めて、これからも縁を大事にしていきたい。

 全国メディアを含めて30社近くの取材が入ったのはJ1並み。注目される中で勝てたのは大きい。ただ、映像配信で皆さんに迷惑を掛けてしまい、フロントにとっては、ほろ苦な開幕戦だった。フロント一丸でトライしたことなので、前向きに捉えて次につなげたい。

 工夫しながら皆さんと接点を持ち続ける。アウェー2試合を経て、皆さんが入場できるようになる9月6日のホーム戦につなげたい。3連勝でホームに戻ってきたら最高の舞台になる。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。