いわきFC粘勝 大阪に3―2、JFL3位浮上

 
【いわき―大阪】前半7分に先制点を決め、スタンドに駆け出すいわきのFW岩渕=Jヴィレッジスタジアム

 (27日・Jヴィレッジスタジアムほか=6試合) いわきFCは広野町のJヴィレッジスタジアムでFC大阪に3―2で勝利した。通算成績は4勝1分け2敗で単独3位に浮上。次戦は10月3日、鈴鹿ポイントゲッターズと対戦する。三重県鈴鹿市のAGF鈴鹿陸上競技場で午後1時開始予定。

 「意識共有」岩渕2発

 互いにシュート13本を放つ打ち合いを制したのは、いわきだった。先制弾を含む2得点と勝利に貢献したFW岩渕弘人は「ボールを拾う意識が共有されていた」と勝因を口にした。

 23日の天皇杯2回戦で完封負けを喫し、「雰囲気が重かった」(岩渕)というチーム。その雰囲気を変えようと、田村雄三監督が用意した選手の好プレーを集めた映像が、選手に奮起を促した。

 この試合、人数をかけた速攻とともに目立ったのが、こぼれ球への寄せの速さだ。前半の先制点も自陣で拾ったこぼれ球から。奪ったボールを両サイドに散らし、MF金大生が岩渕に絶好のパス。「前に蹴るだけでよかった」と、岩渕が冷静にゴールに押し込んだ。

 7試合終了時点で得点はリーグ2位となる14。セットプレーからの失点など課題もあるが、リーグ屈指の攻撃力でJ3昇格を争うライバルを退け昇格圏内に浮上した。それでも3点目を決めたFW鈴木翔大は「(全体として)もっと決められるチャンスはあった」。J3昇格のために負けられない後半戦に向け、気を引き締めた。

 平岡「狙い通りだった」決勝アシスト

 いわきのFW平岡将豪が後半の3点目をアシストした。

 後半40分、MF日高大からパスを受けペナルティーエリアにドリブルで進入、GKやDFを引きつけた。「クロスを上げれば誰かが決めてくれるはず」と、手薄になったゴール前に山なりのパスを上げ、FW鈴木翔大の得点を演出した。

 シュートなど異なる選択肢も頭をよぎったが、冷静にパスを選択しゴールにつなげた。「難しい試合を勝ち切れてよかった」と自信を深めていた。