【コラム】WALK TO THE DREAM-61 市民の健康増進

 

 ◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆行政との連携に手応え

 いわきスポーツクラブが設立当初から掲げる「スポーツによる社会価値の創造」の新しい形が見えてきた。いわきFCの成長と同時に、行政と連携した市民の健康増進への取り組みに手応えを感じてきている。

 サッカーチームの応援以外でも市民とつながるキーワードはなにか考えてきた。選手の健康管理やトレーニングのノウハウを生かした健康、医療分野での関わりが一番大きい。データ管理術などぼくらの強みが行政の健康増進事業や健康管理の委託につながっている。

 10月に始まった市民向けの健康事業もそう。新型コロナウイルス禍の外出自粛の影響を踏まえたオンライントレーニングに市民約80人が参加する。健康アプリを活用し、運動量や心拍数、睡眠などデータに基づいた変化を参加者に伝えることで、運動不足解消や自発的な体づくりを応援している。

 ぼくらがやっている先進デバイスを活用した取り組みに多くの企業が興味を持ち、市民の健康課題解決を応援してくれる。今回の委託事業は、取り組みに賛同する県外企業の企業版ふるさと納税制度を活用した市への寄付で成り立っている。

 クラブが進めるISAA(いわきスポーツアスレチックアカデミー)は、新型コロナの感染拡大で今年は動けなかったが、いわき市のみならず、双葉郡にも広げたいと考えている。

 あとは、いわきFCパークをどう活用するか。パークに来れば、健康になって治療もできる。スポーツのノウハウもあって、食事もできる、そういう未来像を描いている。

 いわきFCで蓄積してきたノウハウが、市民に具体的に還元できるステージにようやくなってきている。さらに、いわき市、双葉郡のホームタウンの皆さんが健康意識を高められるように発展させていきたい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。