いわきFC、1対1決め切れず 勝利への重圧、JFL

 
【宮崎-いわき】前半28分、先制点を決められるいわきFCイレブン

 いわきFCは宮崎市の宮崎県総合運動公園陸上競技場でテゲバジャーロ宮崎(宮崎県)に0―3で敗れた。

 J3昇格を懸けた今季最終節の大一番。手に届きそうだった昇格をあと一歩で逃したいわきの選手たちは大きな悔しさを味わった。

 攻撃の要であるMF日高大は「いわきの力を100%発揮できなかったことが一番悔しい」と敗戦を振り返りつつ「来季に向けてどう取り組むべきか収穫はあった。課題を見つけるための"大事な負け"だ」と前を向いた。

 序盤は速いパスをつなぐなど、持ち味の攻撃力を前面に出し試合の主導権を握った。好機もたびたびあったが、守備に人数をかけた宮崎を崩せない。「単純なミスから失点して失速した」と日高。守備を固めた相手を攻めあぐねるという今季の課題がそのままこの試合でも浮き彫りになった。

 もう一つの課題、決定力不足も露呈した。相手GKと1対1の場面もあったが、決め切れず。ストライカーのFW鈴木翔大は「平常心を心掛けていたが、勝利へのプレッシャーがあり、いつものプレーができなかった」

 ただ、敗戦の中にも「いわき」らしさは貫かれた。「最後まで攻撃を続けていくチームの姿勢は示すことができた」と日高。縦横無尽に選手がフィールドを駆け回る様子はサポーターの心をつかむ。鈴木は「プレーで元気を与えられるようにしたい」と希望を語る。

 試合後、宮崎のJ3昇格を祝うセレモニーが行われ、落胆するいわきとの明暗がはっきり分かれた。

 田村雄三監督は「最終節まで昇格争いに残った選手の頑張りをたたえたい。コロナ禍の中で最後まで戦い抜いた経験は大事。負けて昇格を逃したことも重要だ」と総括した。