【JFL初参戦の軌跡(中)】攻撃への対応力 守備課題24失点
J3昇格まであと一歩に迫ったJFL参戦初年度を終えたサッカーのいわきFC。昨季までは県と東北のリーグ戦で無敗を4季連続で貫いたが、今季は6勝3分け6敗。リーグで上から4位の24得点を挙げた一方、下から4番目となる24失点を喫して得失点差は0と、「点を取っても取られる」展開が目立った。選手らは「課題を見つめ、強いチームに成長する」と誓う。
リーグ戦では、優勝した大分に4失点、2位の宮崎には3失点。無失点ゲームは2試合にとどまった。前線に人数をかける攻撃的サッカーを展開することで守備が手薄となり、特にカウンターや守備陣のミスからの失点が目立った。
昇格が懸かった11月29日の宮崎戦でも、序盤から人数をかけた攻撃を展開したが得点できず、反対にミスからカウンターを許して先制された。GK坂田大樹選手(26)は「カウンターの対応に隙があった」と振り返る。
少ない好機を確実に得点につなげる他チームの精度の高い攻めに苦しんだ。相手の3倍となるシュート18本を放った10月の仙台戦をはじめ、敗れた6試合のうち4試合ではシュート数で上回りながらも結果につながらなかった。FW鈴木翔大選手(27)は「相手より攻撃の流れはつくれているだけに、もどかしさを感じる」と繰り返し口にした。
一方、リーグ戦で修正へのヒントも得た。序盤戦ではDF3人を軸に守る「3バック」を主に採用したが、滋賀戦ではDFを4人置いて両サイドを固める「4バック」を試して無失点に抑えるなど、試行錯誤を繰り返す中で安定した守りを見せる局面もあった。
高いレベルの攻撃への対応力向上は、J3昇格に向けて必須となる。田村雄三監督(37)は「ミスからの失点が多かった。経験と捉えて、選手を成長させたい」と前を向く。
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