【JFL初参戦の軌跡(下)】観客動員 リーグ1位!平均1300人

 
三重戦には、いわきの今季ホーム戦で最多の1828人が来場。いわきが得点機を迎えるたびにどよめきが起こった=11月22日、いわきグリーンフィールド

 サッカーいわきFCの今季のJFLホーム戦は、新型コロナウイルスなどの逆風もある中で、有観客7試合の平均で今季リーグトップの約1300人を動員した。ただ、JFLでは例年、ホーム戦での平均2000人来場がJ3昇格条件の一つ。今季はコロナ禍で適用が除外されたが来季は未定で、チームは「来季はさらに面白い戦いを展開したい」とさらなるファン獲得へ意欲を燃やす。

 いわき市で11月22日に行われた三重との今季ホーム最終戦では、いわきの今季ホーム戦で最多の1828人が来場。スタンド最上段まで市民らが詰め掛け、選手が好プレーを見せるたびにどよめきが起こった。いわきを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長(51)は試合後、「多くの人に来ていただき、熱狂する空間をつくれている」と来場に感謝した。

 ホーム戦では有観客の7試合中6試合で1000人以上が来場。7試合で延べ9003人、1試合平均で1286人が訪れた。担当者は「昇格が懸かる戦いへの期待感や、チームの戦い方への認知度向上などが理由と考えられる」とした。

 全国リーグのJFLに昇格した今季は、県外からも新規ファンが訪れた。三重戦を観戦した川崎市の20代夫婦はオンラインでいわき戦の試合中継を見て興味を持った。「いわき戦は熱気がすごい。試合も攻撃的で面白く、また現地観戦したい」と再来を誓っていた。

 今季J3入りを決めたのは、JFL16チームのうち、Jリーグの準加盟に相当する「百年構想クラブ」の認定を受けた2位のテゲバジャーロ宮崎の1チームのみ。来季のJFLは、昇格組を加えた17チームでの戦いになる見通し。昇格と地元活性化に向け、担当者は「まだ誘客拡大の余地はある。身近な人を呼び合って、観戦してもらうような方策を考えたい」と話す。

 FW滝沢昂司選手(22)は「勝つことで、さらに会場を熱狂させることができるはず」と語る。魅力と勝利を両立したサッカーを追い求め、一層の盛り上がりを実現する。