【コラム】WALK TO THE DREAM-62 JFL初挑戦

 

 ◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆期待度の高まり感じた

 JFL初挑戦は、悔しい結果だった。最終節を落として昇格を逃したが、平均1300人を記録したホーム戦来場者数など周りの関心度や皆さまの期待度の高まりが確認でき、次につながるシーズンでもあった。

 正直、もう少しできるかと思っていたが、いわきFCを負かすという相手の思いが強かった。どのチームも戦術、戦略をいわきFC仕様に変えて挑んできた。僕たちは、1点取られても2点取りにいく攻撃的なスタイルを貫き通したが、アウェーの環境への順応など難しい試合を乗り越えるタフさが足りなかった。

 振り返ると、新型コロナウイルス禍で迎えた短期決戦は白星発進したものの、自分たちがコロナの当事者になってしまったこともあり、途中3連敗するなど難しい時期もあった。終盤につれて歯車が合い始めたのか、いわきFCらしい魂の息吹くフットボールができていたが、昇格できなかったことには必ず理由がある。その原因を追求するためにクラブ全体としてしっかり振り返り、改善していきたい。

 ホーム最終戦でスタンドを見渡した時、いわきFCが地域の皆さまに受け入れられているのを実感した。親会社のドームがいわき市に物流倉庫をつくっていなければ今はないし、地域、スポンサーに支えられている環境が今に至る一つの道標になっていると感じる。

 地域課題にスポーツの視点から向き合う。理念だけが先行しても駄目だし、Jリーグを目指すだけでも意味がない。その両輪をバランスよく前進させることが大事だが、新型コロナの影響は想像以上に大きく、今年は誰にとっても厳しい1年だったと思う。

 震災からの復興で立ち上がったチームということを忘れず、スポーツで人づくり、まちづくりの一助となれるよう、これからも頑張って進んでいく。

おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。