【コラム】WALK TO THE DREAM-67 ピッチ状態

 

 ◆いわきスポーツクラブ・大倉智社長

 ◆最高のプレーに不可欠

 サッカーいわきFCを運営するいわきスポーツクラブ社長の大倉智氏の寄稿コラム「WALK TO THE DREAM」が、寄稿者に監督の田村雄三氏も加わり、新たにスタートします。Jリーグ入りを目指してJFLで奮闘する選手、フロントの思いや試合を振り返り、サッカーやスポーツ界への提言などを熱く語ります。原則、毎月第2、第4火曜日のスポーツ面に掲載します。

 サッカー選手が最高のパフォーマンスを発揮するために欠かせない要素にピッチの状態がある。選手は試合の中で日々積み上げている力を披露しており、お客さまがそのプレーに一喜一憂して満足して帰る。その対価としてお金をいただくのがスポーツビジネスだ。

 ホームスタジアムの一つ「いわきグリーンフィールド」のピッチが少し残念でならない。スタンドから観戦して気が付いた人もいるだろう。芝の管理は一筋縄でいかないのは分かるが、ピッチ次第で選手が積み上げてきたパフォーマンスが発揮されず、興行が成立しない。

 ピッチの状態で戦術を変えることもある。選手は自分のプレーエリアを入念に確かめて試合に臨む。場合によっては状況判断に狂いが生まれることもある。屋外スポーツなので雨風などの自然条件は変えられないが、ピッチは変えられる。最高の状態で試合に臨めることが理想になる。

 ホームであればなおのこと。芝が悪ければ優位性を薄めてしまうこともある。敵味方関係なくケガにもつながる。勝利を近づける要素でもあり、優勝の懸かる重要な試合が増えてきた時に、試合環境のクオリティーを高く担保しておきたい。

 サッカー選手にとってボロボロのピッチでプレーすることは、バレリーナが石の上で演技するのと同じ。いわき市はスポーツ振興でスポーツ合宿誘致や交流人口拡大を目指している。だからこそ、改善の余地があると思う。

 ぼくらはサッカーという興行のために毎回準備している。独り善がりではなく、市民、行政と一緒に前を向いて、地域経済を良くしていくという気持ちで、お互いに発展していきたい。一試合一試合勝つための準備をしっかり整えて選手をピッチに立たせたい。

 おおくら・さとし 川崎市出身。早大商学部卒。現役時はJリーグの柏レイソルやジュビロ磐田などでFWで活躍。引退後はセレッソ大阪チーム統括ディレクター、湘南ベルマーレGM、社長などを歴任し、2015年12月から現職。51歳。