首位攻防!いわきFCドロー、無敗継続 JFL番人・ホンダFCと互角

 
【いわき―ホンダ】前半12分に同点弾を決めて喜ぶいわきのFW岩渕=ホンダ都田サッカー場

 (5日・ホンダ都田サッカー場ほか=8試合) 首位のいわきFCは、アウェーのホンダ都田サッカー場(静岡県浜松市)で2位のホンダFCと対戦し、1―1で引き分けた。通算成績は7勝4分けで首位を維持し、開幕から11試合無敗を継続している。いわきは13日の次節、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で松江シティFCと対戦する。午後1時開始予定。

 岩渕決めた、今季初得点

 負ければ首位陥落。いわきにとって絶対に落とせないリーグ前半戦のヤマ場ともいえる2位ホンダとの直接対決。ミスから先制を許したが、すぐさま追い付き引き分けに持ち込んだ。同点弾を決めたFW岩渕弘人は「『まずは同点』と気持ちを切り替え、ゴール前に飛び込んだ。触るだけの素晴らしいクロスボールのおかげ」と待望の今季リーグ初得点を喜んだ。

 技術やパス回しに定評があり「JFLの番人」と称される強豪ホンダ。いわきは昨季も引き分けているが、持ち味を出せずに防戦の印象が強かった。

 だが今回は違った。いわきは前線から積極的な攻守を仕掛け、ホンダの得意の攻撃パターンを防いでいった。岩渕は「ホンダ相手でも落ち着いていたし、チームの持ち味を発揮できた」と昨季との違いに手応えをつかんだ。

 「負けなかった点を評価したい」。田村雄三監督は決定機を決めきれない課題を挙げつつ、最後まで拮抗(きっこう)した試合を展開できたことをたたえた。強豪と渡り合い、11戦無敗と記録を伸ばして自信を増したいわき。攻撃の要であるトップ下を任せられている岩渕は「得意のポジションで結果にこだわりたい。常に挑戦者の気構えで、一戦一戦勝利を目指す」と闘志を燃やす。

 MF・嵯峨絶妙アシスト

 「攻撃陣がゴール前に攻め上がる動きを見て、冷静に正確なクロスボールを蹴ることができた。次戦に向けて自信につながるプレーになった」。貴重な同点ゴールをアシストした今季新加入のMF嵯峨理久は振り返った。

 先制点を奪われた2分後の前半12分。いわきは中盤の左サイドから右サイドの嵯峨に振り、一気にゴール前にクロスを上げる鮮やかな速攻劇だった。「高い攻撃力を誇るFW陣が決めてくれると信じていた」と表情は明るかった。

 守備では、積極的な詰めや激しい競り合いを見せて90分間、走り抜いた。166センチと小柄な体格を苦にせず「運動量と技術でカバーできるよう、しっかりと練習を積んでいきたい」とさらなる成長を誓った。