いわきFC、鮮やか逆転 3位のヴェルスパ大分下し無敗キープ

 
【いわき―大分】後半39分、シュートを放つMF平岡〈10〉。これが決勝点となった=日田市陸上競技場

 (20日・日田市陸上競技場ほか=5試合) 首位のいわきFCは、アウェーの日田市陸上競技場(大分県日田市)で3位のヴェルスパ大分と対戦し、2―1で逆転勝ちした。通算成績は9勝4分けで首位を維持。開幕から13試合無敗を継続している。いわきは次戦の7月3日、アウェーの石巻フットボール場(宮城県石巻市)でソニー仙台FCと対戦する。午後3時開始予定。

 平岡、地元で「父の日」弾

 「両親が見に来てくれたので、何としてもいいところを見せたいと思っていた。最高です」。父の日に、決勝ゴールというとびきりのプレゼントを贈ったMF平岡将豪。「最高です」と繰り返し、喜びを隠せない様子だった。

 MF宮本英治の浮き球のスルーパスに合わせて一気に抜け出した。相手GKと1対1の状況になり、冷静に左足で決めた。福岡県吉富町出身。県境の町で、すぐ隣の大分県中津市で子どもの頃からサッカーに取り組んできたという。「地元大分での試合なのでいいところを見せないと、という思いが結果につながった」。故郷への思いを力に変えた。

 チーム在籍6年目の古株。開幕から無敗という状況に、これまでにない勢いを感じている。「自分が試合でアピールすれば、『俺もやれる』と他の選手がさらに努力する。相乗効果が、13試合負けなしという状況につながっているのだと思う」

 次戦の相手は、今まで一度も勝ったことがないソニー仙台FC。5月の天皇杯1回戦ではPK戦の末に敗れている。「この間はいい試合をした。今度は勝ちたい」。地元大分で得た手応えを胸に、さらに高みを目指す。

 流れ引き寄せた鈴木

 先制された悪い流れを断ち切った。FW鈴木翔大が相手DFの裏に抜け出し、3月以来10試合ぶりとなる鮮やかな同点ゴールを決めた。「使ってくれる監督の信頼に応えたいと思っていた。自分の最も得意な形で点を取ることができた」と手応えを口にした。

 チーム最年長の28歳。若い選手たちに自分のプレーを見せることで、チームを良い方向に導いていきたいと考えている。「試合の一番きつい時間帯でもサボらず、自分が一番走るんだというくらいの気持ちで取り組む。そういう姿を見せていきたい」と、年長者として好調なチームを引っ張る。