いわきFCが宿敵ソニー仙台FC撃破 サイド攻撃奏功、嵯峨2発

 
【いわき―仙台】後半24分、右足で2点目のゴールを決めるいわきのMF嵯峨=石巻フットボール場

 (3日・石巻フットボール場ほか=8試合) 首位のいわきFCは、アウェーの石巻フットボール場(宮城県石巻市)で3位のソニー仙台FCと対戦し、2―0で快勝した。通算成績は10勝4分けで首位を維持し、開幕から14試合無敗となった。いわきは次戦の11日、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)で奈良クラブと対戦する。午後6時開始予定。

 いわきが過去3度の公式戦で全敗だった宿敵ソニー仙台を破った。ピッチを縦横無尽に駆け巡り、後半に2得点を挙げて念願の勝利に貢献したMF嵯峨理久は「ついに撃破することができた」と笑顔を見せた。

 ソニー仙台は5月にも天皇杯1回戦でPK戦の末に敗れるなど、常に壁となって立ちはだかってきた。仙台大から今季加入した嵯峨にとっても、ソニー仙台は常に「宿敵」だっただけに喜びはひとしおだ。

 今季2度目の対戦で「同じ相手に2度は負けられない」と必勝を誓って試合に臨んだいわき。序盤から積極的な攻守で試合のペースを握った。勝敗を左右したのはサイド攻撃。サイドからゴール前に迫ると、スペースを見つける嵯峨の広い視野のプレーが光り、ゴールにつながった。

 嵯峨は2得点に「FW陣のお膳立てがあってのゴール。チームのためのプレーで結果を出せて良かった」と謙虚に振り返った。

 嵯峨は普段DFだが、この日はけがで欠場した選手がいたため急きょ左サイドハーフを務めた。「どのポジションでも得点は意識している。DF経験が勉強になり攻撃の意識も変わった」と胸を張る。嵯峨が今季奪った得点は4点となり「起用されたら期待に応えられるよう準備するだけですよ」と力強く語った。

 黒沢、鉄壁の守備

 「絶対に無失点で抑えようと気合をみなぎらせていた」。こう振り返ったいわきのDF黒沢丈は守備の要として無失点に貢献した。

 前半はシュートゼロに抑え、後半は要所を締めた。ここ数試合は失点が続いていたが無失点で終え、黒沢は「ソニー仙台を無失点で抑えられたのは大きな収穫」と自信を深めた様子だ。

 5月の天皇杯での借りを返した黒沢は「攻撃陣のプレーを見て絶対に失点できないと奮い立った。今後も無失点にこだわり、勝利を重ねたい」と意気込んだ。