いわきFC悪夢5失点 首位攻防、ホンダFCに完敗

 
【いわき―ホンダ】後半9分、5失点目を喫し肩を落とすいわきのイレブン=Jヴィレッジスタジアム

 (19日・Jヴィレッジスタジアムほか=3試合) いわきFCは、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)でホンダFCと対戦し、1―5で敗れた。通算成績は14勝6分け2敗。順位は1位のままだが、2位ホンダとの勝ち点差が4点に縮まった。

 いわきは次節の10月3日、アウェーの島根県立サッカー場(益田市)で、9位の松江シティと対戦する。正午開始予定。

 「JFLの門番」とも称される強豪ホンダに、2016(平成28)年のチーム本格始動以来、公式戦最多となる5失点で敗れた。選手は口々に「完敗です」。試合終了のホイッスルと同時に、いわきイレブンはぐったりとうなだれた。

消極守備、ミス連鎖

 前半に大勢が決まった。前半30分すぎにDF陣を中心に消極的なミスが相次ぎ、5分間で3失点。同28分に同点弾を決めたDF嵯峨理久は「いつもはない緊張感があった」、DF日高大も「心のどこかにあった消極的な部分がプレーに出た」と振り返った。

 今季磨きをかけてきた前線からのプレスも、ボール支配に強みがあるホンダを前に機能しなかった。相手の細かいワンタッチパスが終始、いわきの守備をすり抜けた。「いわきは球際や走力を強みにしているが、そこでも勝てなかった」とDF田中龍志郎。いわきのお株を奪うかのような速いプレスも見せられ、攻撃も1点にとどまった。

 ただ収穫もあった。後半は田中、MF山口大輝が復帰したほか、今季2試合目のDF江川慶城もホンダと互角の戦いを見せた。「DF陣は競争が激しくなるだろう」と田村雄三監督。チームはまだまだ発展段階。敗戦の悔しさを必ず、成長に変える。

ホーム初出場、田中完全復活

 今季ホーム戦初出場のDF田中龍志郎が大けがからの完全復活をアピールした。後半初めから出場し、力強い守備と持ち前の明るさでチームを支え、「けが再発の怖さは全くない。準備はできているので、いつでも使ってほしい」と意気込んだ。

 今年2月の練習中に右足アキレス腱(けん)を断裂。手術を経て7月末に全体練習に戻り、前節のアウェー戦で今季初出場となった。リハビリ期間には動きを軽くするため、身体を絞る肉体改造にも取り組んだ。

 「ホームでサポーターとやりたいゴールパフォーマンスがある」と田中。内容は秘密だが、「間違いなく盛り上がる」とチームの得点シーンを思い描く。