「小さな差が点差に」 いわきFC、宿敵ソニー仙台FCに完敗

 
【仙台―いわき】サイド攻撃を仕掛け、攻め上げるいわきのDF日高(右)

 (17日・Jヴィレッジスタジアムほか=4試合) いわきFCは、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)で4位ソニー仙台FCと対戦し、0―2で敗れた。通算成績は15勝7分3敗。順位は首位のままだが、2位ホンダFCが16日に勝利したため、勝ち点差が1点に縮まった。いわきは次戦の30日、アウェーのプライフーズスタジアム(青森県八戸市)で6位のラインメール青森と対戦する。午後1時開始予定。

 いわきは一瞬の隙を突かれた。2失点はいずれもカウンターから。パスミスが失点につながった。副主将のDF日高大は「ポジショニング、判断、決定力。あらゆることの小さな差が点差につながった」と唇をかみしめた。

 ソニー仙台は天皇杯での対戦を含めて1勝3敗と負け越している相性の悪い相手だった。いわきは、サイドバックが攻撃参加する強みを生かして得点を狙ったが、仙台の堅守に阻まれた。

 もう一人の副主将のFW鈴木翔大は「自分たちは若いチーム。経験の差が出た。『見えないプレッシャー』があったと思う」と話し、JFL優勝を射程圏内に捉えだしたチームの重圧を代弁した。

 ホーム戦は3試合連続で未勝利となった。ホームでの勝利が遠い。ただ、下を向いているだけではない。鈴木は「一つの良いプレーでチームの雰囲気が変わるのがサッカー。仲間に『大丈夫』との姿勢を見せていきたい」と前を向いた。田村監督も「これも経験。もう一度自分に向き合えば良い」と選手の奮起を促した。いわきが踏ん張りどころをを迎えている。(小磯佑輔)

古巣相手、田中が気迫

 いわきのDF田中龍志郎は古巣のソニー仙台に敗れ、「誰よりもこの試合に懸けていた。だから敗戦は個人的にも悔しい」と振り返った。

 田中は開幕前に右足アキレス腱断裂の大けがを負った。かつての仲間との対戦を心待ちにしていた田中はリハビリに励み、この日に照準を合わせてきただけに、悔しさも大きかった。

 ただ、収穫もあった。復帰後は着実に出場を重ねており、これで5試合連続出場となった。田中は「体の状態は試合ごとに上がっている。今後は仲間とのコミュニケーションを深めていく」と意気込んだ。