いわきFC、J導く3発 古川ここぞの決勝点

 
【いわき―武蔵野】前半39分、ゴールキーパーをかわし2点目を決めるFW古川=Jヴィレッジスタジアム

 (3日・Jヴィレッジスタジアムほか=8試合) 東京武蔵野ユナイテッドFCに勝利したいわきFCが来季の昇格を確実とした。通算成績は17勝7分け3敗で、首位に立つホンダFCと勝ち点58で並ぶ2位。上位を争うFCティアモ枚方が敗れたため、3位以内も確定した。いわきは次戦の7日、アウェーのウェーブスタジアム刈谷(愛知県刈谷市)でFC刈谷と対戦する。午後1時開始予定。

 「チームに勢いを与えるゴールを決めることができた」。J3昇格が懸かった大事な試合で決勝点となる待望の2点目を決めたのは、チーム得点王のFW古川大悟だった。今季11得点目で勝利に貢献し「チームが一丸となったことで勝つことができ、J3昇格もつかめた」と価値ある1勝を振り返った。

 ゴールシーンは鮮やかだった。前半39分、自陣からつないだパスに武蔵野の守備陣の背後を抜けてドリブルで持ち込み、相手GKをかわしてゴールに流し込んだ。「ずっと最終ラインを抜け出す駆け引きはしていた。2点目は(MF宮本の)良いパスがあったからこそ」と仲間のプレーをたたえる。

 武器は相手守備陣の隙を突く抜け出しと、豪快な左足のシュート。得点ランキングではリーグ3位を走るが、今季は決定力不足に苦しんだことも。「精神的につらい時もあったが、自分の武器を磨き、ゴールを重ねて自信を付けた」と振り返る。

 今季は残り5試合。チームは優勝でJ3昇格に弾みをつける考えだ。今季新加入のMF嵯峨理久は「昇格を決めても慢心はしない」と勝利にこだわる。チームの精神的支柱のMF日高大は「残り5試合を全勝する」と気合をみなぎらせる。終盤もいわきの熱戦から目が離せない。

途中出場の吉沢、ダメ押しゴール

 「勝利を決めてやろうと思っていた」と語るのは後半24分に途中出場し、味方のスルーパスを受けて3点目を決めたFW吉沢柊。「監督の起用に応えられて良かった」と明るい表情をみせた。

 今季7得点の野性味あふれるストライカーだが、出場を逃す試合もあった。「自分に実力がないからと割り切り、決して諦めずに練習から集中するよう心掛けてきた」という。「優勝目指して一試合一試合全力を尽くす。来季も得点で貢献する」と頼もしい言葉で締めくくった。(国分利也)