いわきFC競り勝つ 嵯峨、執念実った2発

 
【いわき―刈谷】後半14分、先制ゴールを決めるMF嵯峨=ウェーブスタジアム刈谷

 (7日・ウェーブスタジアム刈谷ほか=7試合) サッカーJFLのいわきFCはアウェーのウェーブスタジアム刈谷(愛知県刈谷市)でFC刈谷と対戦し2―1で勝利した。通算成績は18勝7分け3敗。首位ホンダFCと勝ち点61で並ぶが、得失点差で2位につけた。いわきは次戦の14日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でFCティアモ枚方と対戦する。午後1時開始予定。

 前節の勝利でJ3昇格を確実にしたいわき。次なる目標のリーグ優勝は、1敗もできないほど熾烈(しれつ)な争いといえる。だがリーグ最下位の刈谷相手に苦戦した。2得点で勝利に貢献したMF嵯峨理久は「戦う姿勢が刈谷を上回って勝てた。常にゴールを意識したプレーをしなくてはならない」と語気を強めた。

 今節は10月30日から中3日で続く3連戦の最終戦。いわきにとってアウェーというハンデはあるが、両チームの選手には相当の疲労がたまっている。田村雄三監督はこの3連戦の選手起用を一体に考えて「チームの総合力で戦う」作戦だった。そのため今節は当初から通常の先発選手を後半に投入する予定だった。

 前半は持ち味の多彩なサイド攻撃が精細を欠き、前線へのパスも呼吸が合わず、攻撃の精度も今ひとつだった。一方、後半は決定機こそ少なかったが、攻撃をシュートで終えることで復調した。特に嵯峨は後半14分にドリブルで持ち込み、精度の高い先制ゴールを決めた。最終盤にはPKをもらう幸運も呼び込んだ。

 「優勝への執念が勝利につながった。アウェーで勝ち点3を取れたことは大きい」と嵯峨。田村監督も厳しい試合内容に反省しつつ、今季残り4試合に向け「課題克服に取り組んでさらに成長する」と気合十分だ。

 田中「課題残った」失点

 「いわきらしい攻撃ができなかった。同点で引き分けてもおかしくない試合内容。なんとか勝利できたが課題は残った」と振り返るのはDF田中龍志郎。チームのムードメーカーとして声を出して盛り上げ、攻守でも躍動したが、試合後の表情は硬かった。特に後半37分に同点とされた失点シーンを悔やむ。「攻め込んできた刈谷の選手への寄せが甘く、クロスを上げさせてしまった」と反省する。「残り4試合、いわきらしい戦いをして、全勝できるようにみんなで頑張るしかない」と気持ちを切り替え、いつもの明るい笑顔を見せた。