10人いわきFC、奈良とドロー 残り2戦、自力優勝残した

 
【いわき―奈良】前半ロスタイムに同点ゴールを決めるFW鈴木(9)=ロートフィールド奈良

 (20日・ロートフィールド奈良ほか=3試合) サッカーJFLのいわきFCはアウェーのロートフィールド奈良(奈良市)で奈良クラブと対戦し、2―2で引き分けた。通算成績は19勝8分け3敗で首位を維持。いわきは今季残り2試合を連勝すれば、2位ホンダFCの結果にかかわらず優勝が決まる。次戦は27日、アウェーのAGF鈴鹿陸上競技場(三重県鈴鹿市)で鈴鹿ポイントゲッターズと対戦する。午後1時試合開始予定。

 「自力で優勝できる可能性を残すことができたのは良かった」。FW鈴木翔大は、リーグ戦最終盤で得た引き分けという結果を前向きに捉えた。

 チームは試合開始早々に失点。その後も攻め込まれる場面が多く、嫌なムードのまま後半突入かと思われた前半ロスタイム、鈴木はMF山下優人が放ったスルーパスに走り込んだ。冷静に同点ゴールを決め、流れを引き寄せた。

 後半開始直後には逆転に成功し、「さあこれからだ」と勢いづいていた時に、GKの退場劇が起きた。数的不利となり同点に追い付かれはしたが、攻撃の手は緩めなかった。強気の姿勢で価値ある引き分けを勝ち取った。

 現在首位のいわきと2位ホンダFCとの熾烈(しれつ)な優勝争いは大詰めを迎えている。いわきはこの日の引き分けで勝ち点1を得たことで、残り2試合を連勝すればホンダFCが残りを全勝しても順位は入れ替わらないことになった。「あと二つ勝てば優勝。今こそ、筋トレなど同じメニューをこなしてきたみんなの総力で結果を出したい」と鈴木は話す。優勝した上でJ3に昇格したい―。そんな強い思いを胸に、リーグ戦の最後の局面に臨む。

 GK白岡、悔しい緊急初出場

 GKの一発退場という非常事態。フィールドプレーヤーが1人減る代わりに登場したGK白岡ティモシィは、この日初めてJFLの試合に出場した。「ゼロで抑えて、勝ちたかった」。1点を奪われ引き分けとなった結果に悔しさをにじませた。

 昨季、今季を通じてこれまで出番がなかったが、控えGKとしてトレーニングを重ねてきた。予期せぬ形で出番が回ってきたことに「難しさも感じたが、しっかり声を出すことができた」と手応えを口にする。

 「今日見た景色、プレーした感覚を次に生かしたい」。残り2試合、優勝目指して全力を尽くす考えだ。(須田絢一)