いわきFC、地域と一心同体 高まるサッカー熱「いわき来て」
「応援してきて良かった」「地域がさらに盛り上がる」。いわきFCのJ3昇格決定を受け、サポーターや関係者は喜びに沸いた。プロチーム誕生による経済やスポーツへの波及効果など地元の期待も膨らむ。
「関係者や選手の努力で成長してきた結果。本当にすごい」。県社会人リーグ時代から声援を送るいわき市の会社員鈴木大さん(47)は昇格のニュースを万感の思いで聞いた。5年前に偶然、同市で行われたクラブの最初の試合を訪れたことが応援のきっかけだった。「あの時、観戦して良かった」と声を震わせた。
活動拠点いわきFCパークに近いJR湯本駅には、チームの昇格を記念する看板やのぼり旗が並んだ。いわき湯本温泉旅館協同組合の薄羽裕一理事長(51)は「地元を挙げて育ててきたクラブの昇格はうれしい。いわきを訪れる人も増えると思う」と期待を込めた。同市の内田広之市長も「いわき初のプロスポーツチームの誕生。さらに高みを目指して躍動してほしい」とのコメントを発表した。
チームのJ参入では、地域への好影響も期待されている。いわきFCを運営するいわきスポーツクラブとトップパートナー契約を結ぶ磐栄ホールディングス(いわき市)の村田裕之社長(61)は「チームはスポーツを通じたまちづくりなどに取り組んできた。(昇格が)さらなる地域の発展につながってほしい」。中学生年代が所属する地元サッカークラブ「リベルダード磐城」監督の長岡芳明さん(44)は「幅広い年代に競技の面白さが伝わる。子どもたちが試合を生で見て感じ取ってもらえるものもあると思う」と地域のサッカー熱のさらなる高まりを願っている。
村井チェアマン、リーグ活性化の発火点に
「高い志で旋風を巻き起こしてほしい」。25日、オンラインでの取材に応じたJリーグの村井満チェアマンはいわきFCへの期待を語った。
村井氏は、Jヴィレッジスタジアムがホームスタジアムとなることについて「サッカー界の聖地といわれ、震災復興のシンボルでもある。いわきは復興を世界に伝えていく役割があると思う」と話した。また、明確な哲学を持つクラブとした上で「逆に『いわきには負けない』と挑むクラブも出てくる。リーグ活性化の発火点になってほしい」と語った。
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