【Jへ翔る(中)】観客数どう増やす ホームゲーム盛り上げ重要

 
来季、クラブがホームスタジアムにするJヴィレッジスタジアム(広野町)

 「来季のホーム戦は県外からも多くの観客が来る。地域から盛り上がりをつくる」。J3参入が決まった25日、いわきFCを運営するいわきスポーツクラブの大倉智社長は期待を込めた。今季のホーム戦の平均観客数はJFL最多の約1177人でJ3クラブとも遜色はないが、経営面からも観客数を増やす必要がある。

 「今季は目標の2000人を超えたのは1試合だが、コロナ禍では合格点かもしれない。さらに多くのサポーターに来てもらいやすくしていかなければ」とクラブ関係者。だが来季のホーム戦の会場には課題が残っており、表情は晴れない。

 今季のホーム戦は、いわきグリーンフィールド(いわき市)とJヴィレッジスタジアム(広野町)で開催された。このうちJヴィレッジスタジアムは、JR常磐線でのアクセスが十分ではないなど課題もあった。

 来季のホーム戦の多くはJヴィレッジスタジアムでの開催が見込まれている。いわきグリーンフィールドは照明や観客席数などJ3基準を満たしておらず、ホームスタジアムにすることができなかったからだ。

 今季のホーム戦ではすでに県外のいわきサポーターの姿も多く、来季は対戦相手のサポーターも増える。いわき市のサポーター遠藤武志さん(41)は、Jヴィレッジスタジアムへの公共交通の課題などを踏まえ「いわき市でもホーム戦を開催してほしい」と望む。

 クラブはJヴィレッジスタジアムへの交通の利便性改善のためJRいわき駅をつなぐ送迎バスを運行しており「運行ルートの改善を模索する」とする。大倉社長は「いずれ、いわき市とJヴィレッジスタジアムの両方で公式戦をしたい」と意欲を見せる。スタジアム問題はクラブがJ2に昇格する際も課題となるため、地域の盛り上がりが重要だ。

ネット資金調達、目標金額を突破

 「いわきFC」を運営するいわきスポーツクラブが25日から始めたクラウドファンディングが26日、目標金額の500万円を突破した。募集開始から1日かからずに目標金額を超え、来季のJ3参入への期待の高まりを表す形となった。

 支援金はJ3参入に向けて、公式マスコット誕生や公式サイト改修、いわきFCパークの補修などに使われる。目標金額を超えた分はチーム強化費に充てる。寄付者には返礼品がある。寄付は12月22日までで、専用サイトから申し込める。