いわきFC攻撃けん引 成長の1年、FW鈴木が決定的3点目

 
【鈴鹿-いわき】前半43分、3点目となるシュートを決め笑顔を見せるFW鈴木〈9〉=AGF鈴鹿陸上競技場

 (27日・AGF鈴鹿陸上競技場=5試合) 首位のいわきFCは、アウェーのAGF鈴鹿陸上競技場(三重県鈴鹿市)で鈴鹿ポイントゲッターズに4―1で勝利し、最終節を前に初タイトルを手にした。通算成績は20勝8分け3敗。最終節は12月5日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でFC大阪と対戦する。午後1時開始予定。

 勝てば自力優勝が決まる敵地での一戦。勝利を決定づける3点目を決めたのは、いわき攻撃陣のけん引役であるFW鈴木翔大だった。JFL通算6年目で初の栄冠をつかみ「純粋にうれしい」と笑顔をみせ「上を目指して挑戦するため移籍してきた。自分の選択は間違ってなかった」と自信をみなぎらせた。

 JFLの強豪ソニー仙台FCから加入した。即戦力として昨季は全試合に出場したが、チームは7位に終わった。J昇格も逃し、悔しさをバネによりレベルの高い練習に励んできた。今季は前半戦こそ得点できない時期があったが、後半は調子を上げた。「苦しい時も悲観せず、仲間を信じ、チームへの貢献を心掛けた。結果、選手としても成長できた」

 成長の跡を象徴するのがこの試合の3点目だった。

 前半43分、MF日高大がボールを持つと、攻撃陣が相手DFを引きつけてゴール前にスペースをつくり出す。鈴木は「瞬間的にスペースが空くと思った。(ゴール前にきた)ボールを流し込むだけだった」と振り返った。

 目標のJ3参入を決め、優勝ももぎとった。鈴木は「次のホーム戦も勝って笑顔でラストを飾りたい」と胸を張る。来季に向け「力がどのくらい通用するか楽しみだ。チームと自分を信じてやっていくだけ」とさらなる挑戦を約束した。(国分利也)

MF岩渕、躍動2発

 「今季の強さは試合に出ている選手が高いレベルを求められたことにある。それがチームのレベルを高めた」。この試合、2得点の活躍をみせたMF岩渕弘人は話した。1点目はPKのこぼれ球を、2点目は自身のプレーで得たPKを冷静に決めた。

 昨季は最終戦で負けて昇格を逃した。「甘えを自覚し体づくりから見直した」という。今季の攻撃陣はチーム内での競争も激しかった。「休み明けから厳しい練習をしていかないとサポーターや対戦相手に失礼。勝利だけでなく、(最終戦では)いわきらしく貪欲に戦う」と気合十分だ。

最後はFW吉沢

 後半から途中出場したFW吉沢柊がロスタイムに4点目を決めた。「試合を決定づけたいと思ってピッチに立った」と、ゴール前への難しいクロスに頭を合わせる技ありゴールで起用に応えた。

 今季8得点目と調子を上げてきた。「ずっと得点を狙っていたが、あの時は感覚だけで放った」とゴールのシーンを振り返る。今季は残り1試合。「目標は2桁得点。最終戦では2得点を狙っていく」と頼もしい。