いわきFCの成長「わくわく」 サポーター、J3での活躍期待

 
会場に詰め掛けたサポーター=いわき市・いわきグリーンフィールド

 いわきグリーンフィールド(いわき市)で5日に行われたサッカーJFL最終節で、いわきFCはFC大阪(大阪府)に完勝し、今季を締めくくった。リーグ優勝と来季J3参入に弾みをつける勝利で、サポーターに勇気と感動を届けた。会場には今季最多の観客2451人が詰め掛け、さらなる活躍に期待を込めた応援が飛んだ。

 試合終了のホイッスルとともに観客から祝福の拍手が湧き上がり、応援旗が一斉にはためいた。サポーター歴4年という郡山市の会社員小野俊明さん(65)は「いわきは毎年強くなり、その成長が面白くてわくわくしている。今季のJ3昇格と優勝は期待通りの活躍だ」と満面の笑みを見せた。

 いわきといえばフィジカル強化を軸にしたチームづくりで実力を伸ばしてきた。いわき市の会社員荒木崇さん(43)は「選手の運動量や体の強さがチームの良さ。それがかみ合って優勝できた。J3でも上位に食い込んでほしい」と願う。来季はJ3でいわきと福島ユナイテッドFCが対戦する「福島ダービー」が実現する。同市の看護師佐藤裕也さん(27)は「来季のJ3も狙うは優勝。福島ダービーを生で観戦したい」と期待を込めた。

 「客席の雰囲気は6年前とは全然違った。こんなにも多くのサポーターが集まってくれてうれしい」。チームを5年率いた田村雄三監督は目を細めた。「私一人では今季の結果は残せなかった。大勢の力があったからこそ。これからも地域と一緒に歩んでいく」とさらなる高みを目指す。

 東日本大震災で甚大な被害を受けたいわき市や双葉郡の復興をリードするチームとして始動したいわき。被災地を勇気づける象徴となるべく、舞台がJ3に変わっても志はぶれない。チームの精神的支柱であるDF日高大は「来季はいよいよJ3。プレーを通して地域を元気にしていきたい」と語った。