【2年目の軌跡(上)】貫いた攻撃的守備 1試合平均失点を半減
サッカーJFLのいわきFCは、JFL参入2年目のシーズンを優勝とJ3昇格という最高の結果で終えた。「JFLの門番」とも称される強豪ホンダFCとの激しい優勝争いを制した選手たち。昨季7位から飛躍した理由と来季の展望を探る。
いわきの快進撃はシーズン序盤から続いた。その理由の一つが守備だ。失点数28はリーグ3位の少なさ。目標としていた「シーズン失点数30以内」を達成した。1試合平均の失点数は0.875で、昨季の1.6点からほぼ半減した。FWやMFが前線から強烈なプレスを掛けて相手選手の自由を奪う「攻撃的な守備」を貫き、失点の少なさにつなげた。今季途中からは新しい布陣も採用し、守備戦術の幅が広がったことも大きかった。
試合を重ねるにつれてチームの連動性は高まり、敵陣でボール奪う回数が増えた。土台となったのは豊富な運動量だ。田村雄三監督が最も大事にした「ハードワーク」を徹底した結果だった。
課題もあった。ホンダFCと奈良クラブには、勝てなかったことだ。いずれもパスサッカーを武器とするチームで、守備が十分に機能しなかった。それぞれ2度対戦し、計4試合で10失点した。今季の失点数の3分の1を超える多さだ。
来季から参戦するJ3。副主将のFW鈴木翔大は守備について「J3ではボール保持が上手なチームが増える。ボールを奪う際の選手同士の意思統一や、個人の守備技術を上げないといけない」と見据えた。
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