【2年目の軌跡(中)】先制した18戦は全勝 自信と課題来季へ

 

 「来季への課題は攻撃だ」。最終戦を終え、いわきFCの田村雄三監督はこう振り返った。今季得点数は65でリーグ2位だったが、目標とした「シーズン70得点以上」には届かなかったからだ。

 いわきの強みは、前線での積極的な守備からのカウンター攻撃と、ロングボールを使った縦に速い攻撃だ。相手に先制点を奪われ、引いて守られると、得点できない場面が目立った。

 先制した18戦は全勝で無類の強さを誇った一方、先制を許した11戦は3勝5分3敗となり、勝率は2割7分にとどまった。FW鈴木翔大は「いわきの良さでもあり、悪さでもあると思う」と指摘する。

 引いて守る相手から得点するため必要なプレーは何か。鈴木は、今季2位で得点数が最多だった強豪ホンダFCを例に挙げる。「ホンダは複数人による崩しの質や動きが違う。いわきはパワーとスピードで押し込むが、最後が少し雑になる。そこをいかに繊細にプレーできるかだ」

 ただ、シーズン後半にかけて攻撃面の進化もあった。連係が深まり、大量点を奪う試合が増えた。後半戦16戦のうち、4点以上を奪ったのは4戦。4点以上は前半戦に1戦もなかった。

 今季11得点でチーム得点王となったFW古川大悟は「引いた相手へのプレーは確かに課題だが、後半戦はFWとボランチ、FW同士の関係性も良くなり、中央から崩すことも増えた」と胸を張った。今季で得た自信と課題を来季につなげることが求められる。