いざ開幕戦へ! ゴール前の攻防想定し調整、最後の公開練習

 
セービング練習に励む(左から)高木和、田中、鹿野=15日、いわき市・いわきFCフィールド

 サッカーJ2のいわきFCは15日、いわき市のいわきFCフィールドで開幕前最後の公開練習を行った。

 約2時間に及んだ午前中のトレーニングでは、ゴール前の攻守を想定した一対一や連係の練習に多くの時間を費やした。午後には筋力トレーニングも行った。16、17の両日の練習は非公開。開幕戦は18日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で同じく昇格組の藤枝MYFC(静岡県)と戦う。午後2時開始予定。

 「得点は俺が許さない」守護神狙う高木和、鹿野、田中

 守護神を長年務めた坂田大樹が抜けた穴を誰が埋めるのか―。正GK争いが熾烈(しれつ)を極めている。

 2017年に加入し、21年のJ3参入や、昨季のJ2昇格に大きく貢献した坂田は、J1アビスパ福岡に移籍した。代わりに、J2東京ヴェルディから高木和徹が期限付き移籍で加入。加入2年目の鹿野修平、田中謙吾と合わせた3人が開幕スタメンを狙う。

 J2の経験値では高木和が一歩リード。クロスへの対応やシュートストップ、キックの飛距離などを武器に昨季はJ2で15試合に出場した。「難しい試合もあるが、そこで存在感を示したい」と活躍を誓う。
 昨季、坂田の次にいわきのゴールを守ったのは鹿野。前半戦12試合に出場し、けがで離脱した坂田の穴を埋めた。「攻撃中の準備やキャッチングの判断など、昨季よりできることが増えている。吸収力なら2人に負けない」と語気を強める。

 プロ10年目の田中が今季にかける思いは人一倍強い。かつてJ2のクラブに在籍しながら、出場機会に恵まれずJ2のピッチを踏むことができなかった悔しい過去があるからだ。「至近距離のシュートストップや体を張った守りでは負けない。最大限の準備でアピールする」

 個性の違う3人に「前向きな声掛けで自信を与えてくれる」(田中)のは、今季新たに就任した武田治郎GKコーチだ。「誰が出ても良いような、素晴らしい調整ができた。(3人とも)練習で結果を出していて、幸せなことだね」と手応えを口にした。(小磯佑輔)