いわきFC、選手のトレーニング助言 アドバイザーに比佐仁さん

 
「Jリーグでどれだけ通用するのか楽しみ」と話す比佐さん

 今季のサッカーJ3を戦ういわきFCに新戦力が加わった。いわき市出身の比佐仁さん(73)が、トレーニング方法を助言する「ストレングスアドバイザー」としてチームを支える。主に野球全日本チームでトレーナーを務めた比佐さんは「Jリーグでどれだけ通用するのか楽しみ」と選手の活躍を心待ちにしている。

 比佐さんは磐城高卒業後、武蔵野美術大に進み、大学でアメリカンフットボールに打ち込んだ。卒業後にアメフト雑誌を創刊し、米国でアメフトを取材しながら現地の大学の専門家からトレーナーの技術や知識を習得したという。比佐さんは「トレーナーの仕事がアメフトよりも面白くなった。トレーニングの方法からトレーナーのチームでの立場、役割を学んだ」と話す。

 帰国後、米国でのつてを生かし、トレーニングマシン輸入販売会社を経営しながらプロ野球巨人などでアドバイザーを務め、1988年ソウル五輪から2008年北京五輪まで野球チームの強化スタッフに加わった。その後、11年から鹿屋体育大客員教授として、トレーニングだけでなくスポーツビジネスなどを教えた。

 「70歳を機に引退した」という比佐さん。しかし、ドームの安田秀一会長・CEO(最高経営責任者)から、いわきFCのトレーニングを助言する人材探しを依頼されたが適任者がいなかったという。「そこでやってみないかと依頼があり、特に仕事をしていなかったので引き受けた」という。

 故郷に単身赴任しながらクラブの一員となった比佐さんは、トレーニングを見て足りない部分があれば助言する立場だ。「勝つためには指導者と選手の間に溝があってはならない。いわきFCは指導者と選手が同じ方向を向き、後ろ向きな考えの選手がいないことが素晴らしい」と語る。比佐さんは豊富な経験を生かし、チームに新たな力を注ぐ。