いわきFC新体制、いざJ3へ 10選手補強、新ユニホーム発表

 
J3での活躍を誓ういわきFCの村主監督(左)と選手ら=30日午後4時22分、いわき市・ポレポレシネマズいわき小名浜

 サッカーJ3のいわきFCを運営するいわきスポーツクラブ(SC)は30日、いわき市でJリーグ1年目となる今季の新体制を発表した。JFL優勝の実績を手に挑む新たな舞台。登壇した選手、監督は「自分たちの力を出し切る」とサポーターに力強く宣言した。

 チームは今季、J3での戦いに向けてさらに戦力が充実した。昨季からの補強で新たに選手10人が加入し、FW、MF、DF、GKの各登録ポジションで1人ずつ増え、層は厚みを増した。監督交代で村主(すぐり)博正監督体制となったが、これまでの攻撃的な戦い方は変えず、持ち前の前に速いサッカーでJ3の強豪に立ち向かう。

 クラブ在籍4年目となるMF日高大は「新加入選手たちはおとなしい選手が多いが、トレーニング中は良い雰囲気で全員で鼓舞し合えていて良いチームになっている」と手応えを口にする。J2横浜FCから新加入のDF星キョーワァンも「若い選手が多くエネルギッシュ」と自信を深める。

 J3では、同じ本県が本拠地の福島ユナイテッドFCのほか、J2昇格を狙う各チームとのさらに厳しい戦いが予想される。村主監督は「シーズン終盤までは目標の勝ち点や順位は設定せず、目の前の試合で自分たちの力を出し切ることに集中したい」と意気込む。

 無観客で行われ、サポーター向けにライブ配信された発表会では、同SCの大倉智社長が登壇。今季のコーチ陣や、スローガン「BE(ビー) TOUGH(タフ)」を紹介した。今季着用の新ユニホームも発表され、昨年までと同様の赤と白色、GK用は青と黄色のそれぞれ2種類となった。胸部分に紺色のラインがあしらわれており、東日本大震災の復興から成長し、上昇していく地域の姿を表現した。

 今季の選手会長は新加入のGK田中謙吾、副会長はDF米沢哲哉と黒宮渉が務める。主将は未定。また、発表会には来季の加入が内定している作新学院大3年のMF芳賀日陽(あさひ)も参加した。芳賀はクラブが特別指定選手の登録を進めており、登録されれば、今季のリーグ戦に出場することができる。背番号は「25」の予定。

 トンガへの義援金募る

 発表会のライブ配信が行われた動画投稿サイト「ユーチューブ」では、視聴者による投げ銭システム「スーパーチャット」を利用して、海底火山の大規模な噴火被害を受けた南太平洋の島国トンガへの義援金を募った。

 東日本大震災の被災地域を拠点にするクラブとして、同様に自然災害で被災した地域を支援しようという思いで企画。集まった義援金は、同国の日本大使館を通じて寄付される。配信は終了までに1万回以上の再生回数を記録した。