【選手の横顔〈20〉】FW・有田 稜 親孝行誓いJデビュー

 
「結果で母親に恩返しをする」と誓う有田

 最初のプレーで決勝ゴールを決める、鮮烈なJデビューを飾った新加入FWだ。「万能な選手になりたい」と2桁得点を見据える。

 すでに2ゴールと、プロ選手として順調な船出を見せているが、以前は「プロは諦めていた」という。理由は懸命に育ててくれた母親の近くで「親孝行がしたかった」から。サッカー強豪校ではなく地元の工業高校に進学したのも、手に職を付けるためだ。高校2年の時に県大会に出場したが、同校23年ぶりの県予選突破だったという。

 それでも大学に進学し、サッカーを続けた。きっかけは兄傑さんの「サッカーを続けろ。おかんのことは大丈夫」の言葉だったという。「兄は本当の気持ちを知っていてくれた。感謝の気持ちしかない」と話す。

 活躍の場は変わったが、親孝行への気持ちは変わらない。「結果で母親に恩返しをする」と誓う。

 ありた・りょう 福岡県出身。小倉工高、国士舘大卒。趣味がないことが最近の悩み。22歳。