「J3で戦えたのは地域のおかげ」 いわきFC今季最終戦

 
今季の試合を終えて、サポーターにあいさつする村主監督

 Jヴィレッジスタジアムで20日行われたサッカーJ3のいわきFC―YS横浜戦。いわきは今季最終戦を白星で飾ることはできなかったが「魂の息吹(いぶ)くサッカー」を体現し、声援にプレーで応えた。来季は難敵ぞろいのJ2に挑む。詰めかけたサポーターからは、さらなる活躍を期待する声が上がった。

 「J3で戦えたのは地域のおかげ。皆さんの力なくしてJ2昇格はなかった」。試合終了後のセレモニーのあいさつで、いわきスポーツクラブの大倉智社長はサポーターに感謝し、来季に向け「浜通り、双葉郡の光になれるように頑張っていく」と語った。村主(すぐり)博正監督は「来季は試合数が増え、よりタフになる。引き続き一緒に戦ってほしい」と地域一丸でさらなる高みを目指す考えを示した。

 いわきは本県の復興をリードする存在でもある。試合前日の19日に今季での契約満了が発表され、後半から出場した在籍3年目のFW鈴木翔大は「(試合中に)多くの方から声援を受け、たくさんの人に愛されていると実感した。復興を支えたいとプレーしてきたが、自分も地域に支えられてきた」と感謝を口にした。

 サポーターはさらなる飛躍を期待する。「いわきFCは双葉郡、浜通りに元気を与える頼もしい存在」と広野町で居酒屋を経営する鈴木すみさん(57)。今季のホーム戦は全国から観客が足を運んでおり「全国の人に復興へと進む浜通りを見てもらった。J2でも浜通りに元気と活気を届けてほしい」と願った。

 いわき市の郷ケ丘小4年の佐藤健琉君(10)は「当たり負けしないいわきFCが好き。J2での活躍に期待」と目を輝かせれば、いわき市出身の会社員山岡健治さん(47)は「J2でいわきのサッカーが通用するのか興味がある」という。いわき市の会社員横川和俊さん(48)は「いわきFCの応援は楽しい。来季はアウェー戦にも行く」と力を込めた。