いわきFC、6日間のキャンプ終了 戦術浸透、J2で戦える手応え

 
「J2という高いレベルでどこまで通用するのか楽しみだ」と開幕を待ちわびる主将の山下(中央)=鹿児島市かごしま健康の森公園

 鹿児島市でキャンプ中のサッカーJ2いわきFCは3日、セットプレー中心の練習で汗を流した。チームは1月29日から6日間の全日程を終えて鹿児島を離れた。4日はJ1浦和と非公開の練習試合に臨む予定。

 田村雄三ゼネラルマネジャーはキャンプを「選手たちが寝食を共にして結束力を高め、新加入選手とコミュニケーションを深めた」と総括。シーズンに向け「J2でもいわきのやることは変わらない。プロセスを大事に成長すれば結果は付いてくる。重要なのはいわき市や双葉郡の皆さんに(希望の)光を感じてもらうサッカーをすることだ」と語った。

 開幕戦は18日にホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)で昇格組の藤枝MYFCと対戦する。新加入で尚志高出身のDF河村匠は「磐田との練習試合で手応えを感じ、攻撃でも好機をつくることができた。開幕までに課題を修正し、プレーの質を磨いていく」と意気込んだ。

 6日間のキャンプは実りあるものとなったようだ。「自分たちは何ができて、何ができないのか。現状を知る良い経験になった」。今季も主将を務めるMF山下優人はJ2磐田との練習試合を振り返る。その上で「(強靱(きょうじん)なフィジカルを前面に押し出す)いわきの強みを生かして後半も走り、強度を保ち続ければ戦える。あとは課題を修正していくだけ」と手応えを口にした。

 昨季J3でベストイレブンに選ばれた山下や得点王の有田稜ら主力が残り、有望な若手や即戦力も加わった。「チームの勢いが増した。新加入選手の良さを発揮できる環境をつくり、これまで積み上げた戦術を伝えていく」と加入5年目の主将に頼もしさがあふれる。

 キャンプでは戦術を浸透させ、共通理解を図ろうとしてきた。「課題を修正して戦術を積み重ねている。みんなが同じ考えを共有できてきた」と村主(すぐり)博正監督。残り2週間と迫った開幕戦までに「戦力の底上げと、けが人のコンディションを上げていく。シーズンを通して戦えるベストなチームをつくり上げる」と意気込む。

 本格始動から8年目。「やるからには優勝を目指す。90分間止まらない、倒れないサッカーをして見ている人に感動を届けたい」と士気を高める山下。破竹の勢いで駆け上がってきたいわきが、新たなステージでも旋風を巻き起こす。(国分利也)