歩こう「いわきFCの道」 駐車場問題を解消、いわき市整備へ

県勢初のサッカーJ2に挑むいわきFCを応援しようと、いわき市は新年度、JR湯本駅からホームスタジアムのいわきグリーンフィールドまでの歩道(延長約1.5キロ)をチームカラーの赤と青に色づけする。サポーターに歩いて来場してもらい、駐車場問題の解消を目指す。協力した人にクーポンを発行したり、地元の商店街を紹介したりすることでまちなかへの周遊を促し、地域振興にもつなげたい考えだ。
内田広之市長が9日の記者会見で発表した。「RED&BLUE(レッド・アンド・ブルー)ルート」と銘打ち、地域を挙げてチームを盛り上げるのが狙い。
JR湯本駅から北西に延びる市道天王崎1号から県道いわき石川線、市道上荒川・台山線を東に通り、グリーンフィールドが入る21世紀の森公園のスケートボード広場南駐車場に至る約30分のルートを計画している。市は新年度当初予算案に約1780万円の事業費を計上し、4月以降にペイントを施す方向で時期を調整している。
背景にあるのは、スタジアムの駐車場問題だ。市によると、21世紀の森公園の駐車場は約1500台で、これまでも試合日に渋滞が発生していた。市は1試合4000人程度の動員を見込むが、車1台に2人が乗ると仮定しても収容できるのは3000人分。いわきFCもシャトルバスを運行するが、市は残り1000人について徒歩での来場を目指す。
このため、歩いた人にはスタジアムなどで使える500~800円程度のクーポンを発行する方針だ。注目度の高いカードを中心に13試合程度の予定。地域の飲食店や旅館を掲載した電子マップも作り、にぎわい創出に役立ててもらう。
市は新年度、いわきFC応援予算に本年度の約3.5倍となる約1億2600万円を計上した。市内に宿泊したサポーターに地域の飲食店などで使える2000円分のクーポンを発行。子どもたちには試合のチケットを配り、応援層の拡大にも着手する。内田市長は「熱い応援、厚いおもてなしで交流人口の拡大につなげたい」と意気込みを語った。
「街に活気」期待の声
地元からは市の施策に歓迎の声が上がる。いわき湯本温泉旅館協同組合の薄羽裕一理事長(52)は「宿泊者の増加を期待している」と声を弾ませる。組合にはチケット付きの宿泊プランへの問い合わせが相次いでおり「徒歩でスタジアムに行く人が増えればさらに街が活気づく」と願いを込めた。
想定ルート沿いの飲食店「マイタイ」では、開幕日の18日に営業開始時間を繰り上げ、サポーターを迎える。経営する小山いずみさん(44)は観戦用に大型のモニターも設置する計画で「いわきを盛り上げるために応援策にどんどん取り組んでほしい」と話した。
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