赤く、熱く、選手鼓舞...会場一体で後押し いわきFC、J2開幕戦

ついにサッカーJ2の舞台に立ったいわきFC。開幕戦で同じ昇格組の藤枝MYFCに敗れたものの、イレブンは、改修されたホームスタジアム「いわきグリーンフィールド」に詰めかけた約4000人のサポーターの声援を力に、躍動した。
ホームスタジアムのいわきグリーンフィールドには多くのいわきFCサポーターが駆け付け、選手を鼓舞した。今季から会場全席で声出し応援が可能となり、赤く染まった会場にサポーターの熱い声援が響いた。
この日は4318人が来場。いわきは惜しくも敗れたが、試合後も会場のサポーターから声援と拍手が鳴りやむことはなかった。
応援団のまとめ役「コールリーダー」を務める、いわき市の会社員会田陸人さん(19)は「前半を見て大丈夫かなと思ったが、後半が本来のいわき。下を向く必要はない」と選手をねぎらった。会場全体で声出し応援が可能になり、「後半の雰囲気に乗って(選手と)心を一つに戦えたと思う」と振り返った。開幕戦の勝利には届かず「もっとスタンド全体を巻き込んで、いわきの応援スタイルを確立していきたい」と力を込めた。
「共闘」と書かれた応援旗を持ち込んだ同市の会社員四家英(すぐる)さん(43)は「開幕戦で選手に硬さがあったのかもしれない。悔しいけど、これがJ2のレベル。簡単にはいかない」と冷静に話した。次戦アウェーでの水戸ホーリーホック戦も観戦するといい「水戸は20年以上J2に入っている。水戸に尊敬の念を持ちつつ、『常磐ダービー』に勝ってほしい」と期待した。
「大型映像に感動」
改修工事を終えた新生いわきグリーンフィールドは、天然芝の張り替えや客席の増設のほか、大型映像装置と夜間照明などが新たに設置された。サポーター仲間と訪れた同市の自営業坂本登美子さん(56)は「(スコアなどが表示される)大型映像装置に感動した。元は芝生だった場所に客席が設置されて利便性が上がった」と笑顔を見せた。
この日は、シャトルバスを利用したり、最寄り駅のJR湯本駅から歩いて会場入りするサポーターの姿が見られた。会場の駐車場は正午の入場開始前に満車になったが、臨時駐車場へ案内するなどして、渋滞など大きな混乱はなかった。
浜通りサーティーン冠試合
いわきFCのJ2開幕戦は「HAMADOORI13(浜通りサーティーン)プレゼンツマッチ」として行われた。
浜通りサーティーンは、浜通り13市町村の若手経営者有志でつくる広域連携組織で、若手起業家を支援する事業などを展開している。吉田学代表理事は「いわきFCが掲げるスポーツを通して社会を豊かにする理念に共感している。活動を通して地域を盛り上げていきたい」とあいさつした。
同団体の冠試合は2020年7月、Jヴィレッジスタジアム(広野町)で行われたJFL開幕戦以来2回目。
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