「いわきFC歩道」見直し いわき市、費用・効果で市議から疑問

サッカーJ2のいわきFCを応援するため、いわき市が新年度当初予算案で計画していた歩道をチームカラーの赤と青で色付けする事業を巡り、2月市議会で一部議員から費用や効果面で疑問の声が上がり、市が事業内容を見直すことが9日、分かった。
9日の市議会最終本会議で、関連議案の審査を付託された政策総務委員会が報告した。市は地元関係団体などと協議し、代替案を検討する考え。市はいわきFC応援予算として本年度の約3.5倍の約1億2600万円を計上。このうち路面の塗装には約1780万円を充てていた。
見直す事業名は「RED&BLUE(レッド・アンド・ブルー)ルート」。JR湯本駅からいわきグリーンフィールドまでの歩道(延長約1.5キロ)を色付けし、サポーターに徒歩での来場を促し、駐車場不足問題の解消を目指す計画だった。
政策総務委員会の市議によると、審査では「特定企業・団体のために公共物に手を加えるべきではない」「住民との話し合いがないのではないか」などの意見が出た。9日の市議会本会議で予算は成立したが、市は事業内容を見直すことを決めた。
地元の住民は計画見直しに、複雑な心境をのぞかせた。想定されていたルート沿いの飲食店で働く女性(40)は「サッカー色で街をもっと盛り上げてほしい。別の方法でもいいので考えてほしい」と残念がった。一方で、別の商店で働く女性(39)は「景観を変えてまでやることではないと思う」と話した。
市は、道路への案内板設置など、効果的で費用を抑えられる誘引策を検討していくという。内田広之市長は取材に対し「駅から歩く人を増やすことで当初期待した地元の宿泊業や商店街への大きな経済効果を決してそがぬよう、より良い方策を考えたい」と述べた。
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