いわきFC、夢へ決意!先進的スタジアムに スポーツ庁事業採択

 
記者会見で事業内容を説明する大倉社長(左)。同席した内田市長(中央)と小野会頭もスタジアム整備への思いを語った=19日午後、いわき市

 「日本にないスタジアムに」「全国から視察が相次ぐような先進性のある場所へ」―。いわき市で19日に開かれた記者会見では、いわきFCのホームスタジアムの整備に向け、関係者が決意を示した。

 記者会見には、サッカーJ2のいわきFCを運営するいわきスポーツクラブ(SC)の大倉智社長、内田広之いわき市長、いわき商工会議所の小野栄重会頭が出席。大倉社長は「唯一無二のスタジアムを造りたい。常々どういうスタジアムが良いか考えてきた。賛否は渦巻くと思うが、全てを受け入れて前に進めていく覚悟だ」と話し、スタジアムを拠点に、少子高齢化などの地域課題解決につながるスタジアム構想をつくり上げる考えを示した。

 いわきSCは、スポーツ庁の「スタジアム・アリーナ改革推進事業」の実行団体に採択され、市や商議所と協力し、ホームスタジアム構想の検討を進める。

 内田市長は「いわきFCの勢いは、市の人づくり、まちづくりに発展する力があると思っている」とし、「大きな視野に立ち、未来を一緒につくるパートナーとしてクラブを積極的に応援していきたい」と支援を約束した。スタジアム整備を巡る補助金申請などでも協力していく考えだ。

 いわき商議所は同SCと経済界をつなぐ仲介役を担う意向だ。

 小野会頭は「今回の採択は地域経済にとっても明るい話題。さまざまな機能を盛り込んだ『いわきモデル』で、全国から視察が相次ぐような先進的なスタジアムになることを願う」と今後に期待した。

 記者会見では、Jリーグの野々村芳和チェアマンがビデオメッセージを寄せ、「地域にとって素晴らしいスタジアムを造ってほしい」と語った。

 25年6月まで整備計画必要

 いわきFCは現在、収容人数約5000席のいわきグリーンフィールドをホームスタジアムとしている。

 J2基準である1万人規模を満たしていないが、将来的なスタジアム整備をJリーグと約束する「例外適用」の規則に基づいてJ2ライセンスを取得した。

 例外規定の適用期間は、今季の開幕から数えて最大で8年間。まずは2025年6月までに基準を満たすスタジアムの整備計画を提出し、27年6月までに計画に基づき着工する必要がある。これにより別の例外規定が適用され、スタジアムの完成を31年シーズンの開幕戦前日まで延長できる。

 またJ1へ昇格した場合の現行基準は1万5000人規模(椅子席1万席以上)。新設または大規模改修するスタジアムには、原則として観客席を覆う屋根やスコアボードに使う大型映像装置が必要となることから、今後の協議の動向が注目される。