いわきFC「浜の光」に サポーターに力、勝利に「元気もらった」
20日に広野町のJヴィレッジスタジアムで行われたサッカーJ3いわきFCのホーム開幕戦では、チームの「J初勝利」に歓喜の輪が広がった。スタジアムには、多くのサポーターが集結し、東日本大震災からの地域再生をともに歩んできたイレブンを後押しした。16日深夜の本県沖地震から間もない勝利に、「元気をもらった」との声も上がった。
今季のホーム開幕戦のスタンドは、サポーターが身に着けたユニホームやタオル、旗でチームカラーの赤に染まった。「お客さんに心地よく見てもらうため、準備してきたものが出せた」。チームスタッフの平沢俊輔さん(27)は、感慨深げに語った。
平沢さんは2017~20年シーズン、いわきの選手としてプレーしたが、けがで引退し、今は裏方として支えている。サポーターに「また見に来たい」と思ってもらえるようなおもてなしを目指し、会場設営などの工夫を凝らしてきた。それだけに、選手がピッチで躍動するたびに、太鼓や手拍子が鳴り響く様子はたまらなくうれしい。
サポーターも選手の姿に、自らの思いを重ねる。チームが始動した当初から応援しているいわき市の阿部倫久さん(39)は90分間走り続ける選手の姿に感銘を受け「先日も大きい地震があったので、浜通りの住民に元気が届いたのでは。さらなる活躍を信じている」と今季の躍進を願う。
県外のサポーターも増えた。茨城県那珂市の萩野谷健一さん(45)は、復興ボランティアとして本県で活動した縁でサポーターとなった。「いわきの選手の立派なプレーに感動した。いわきFCが『浜を照らす光』となって地域貢献し、復興につなげてほしい」と語った。
試合終了のホイッスルが鳴り勝利が決まった時、サポーターらは思わず歓声を上げていた。平沢さんは心から思う。「サポーターに元気を与えるサッカーをしていた。今日の会場の盛り上がりからも、クラブの成長を感じる」
「民友きずな号」活用、熱闘伝える号外発行
福島民友新聞社は20日、いわきFCのJ3ホーム開幕戦の熱闘を伝える号外を発行した。試合会場のJヴィレッジスタジアム出入り口で観客に配布したほか、いわき市の商業施設と、いわきFCパークに置いて利用者に配った。
会場出入り口では、印刷機搭載広報車「民友きずな号」を活用、試合後にいち早く配布した。観客はJリーグ初勝利の余韻に浸りながら、記念となる号外に見入った。