いわきFC、J3初黒星 4位後退、球際で劣勢...勢い出せず

 
【いわき―今治】試合終了後、悔しさをにじませながらサポーターへあいさつに向かういわきのイレブン=いわきグリーンフィールド

 (17日・とうほう・みんなのスタジアムほか=8試合) いわきFCはホームでFC今治と対戦し0―1でJ3初黒星を喫した。3勝2分1敗で4位に後退した。次戦は29日。いわきはホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)でヴァンラーレ八戸と対戦する。午後1時開始予定。

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 【評】いわきは今治に、なすすべなく敗れた。高い位置から行うプレスが機能せずに何度もDF裏を突かれると、後半開始早々にスローインの流れから失点した。ロングボール主体の攻撃も相手の堅い守備に阻まれ、単調な攻めに終始。後半19分に選手交代と同時にシステムを変更して打開を図ったが、攻略の糸口は最後まで見いだせなかった。(小磯佑輔)

 山下「引きずらずに課題克服」

 いわきのシュートはわずか4本、対する今治は16本―。J初黒星となった試合は、スコア以上に惨敗の内容だった。「やることは変えずに臨んだが、(大切にしてきた)勢いや前への推進力は見直さないといけない」。主将のMF山下優人は淡々と振り返った。

 両監督が口にしたのは「球際」という言葉だった。「球際で勝って、走り勝てた」と話すのは今治の橋川和晃監督。一方のいわきの村主博正監督は「われわれもやれてなかったわけではないが、ボールを奪い切れなかった」。競り合いの強さで今治にお株を奪われる格好となった。

 攻撃でも相手に上回られた。いわきは前線に起点をつくれないままロングボールを送り続けた一方、今治はショートパスを主体にしながら、状況に応じた長いパスで守備の裏を突いた。「連動が少なく、個人で勝負する感じになってしまった」と山下。スタイルは違えど相手から学ぶこともあっただろう。

 ただ、まだ1敗。次のリーグ戦まで2週間空き、修正する時間にも恵まれた。山下は「連敗しないことが大切。引きずらずに課題を克服する」と前を向いた。(小磯佑輔)

 永井、上々Jデビュー

 「負けていたのでやることは決まっていた。リラックスしてプレーでき、個人的には楽しかった」。いわきのMF永井颯太が上々のJデビューを振り返った。後半36分に中盤3人の一角として出場すると、軽やかなドリブルと細かいパスで攻撃を組み立てた。この試合の数少ない好材料だった。

 流通経済大卒の1年目。自身の特徴を「ボールをキープするところ」と話す。縦に速く攻めるいわきでは異色の存在だが「だからこそ、ぶれずに良さを出せば(チームの)アクセントになる。スタメンで出られるよう結果を残すことを意識したい」と意気込んだ。