いわきFC、今季最多6ゴール奪い快勝 岩渕「貪欲に」ハット

 
【YS横浜―いわき】後半27分、ハットトリックを決めたいわきのMF岩渕〈19〉=ニッパツ三ツ沢球技場

 いわきFCは4日、敵地のニッパツ三ツ沢球技場でYS横浜と対戦し、6―0で快勝した。通算成績は7勝3分け1敗で暫定1位に浮上。次戦は12日、アウェーのピカラスタジアム(香川県)でカマタマーレ讃岐と対戦する。午後2時開始予定。

いわきFC

 【評】いわきが運動量を生かした前線からのプレスで流れをつかみ、YS横浜に快勝した。

 前半は両サイドを広く使う相手のペースで停滞した。しかし、前半終了間際の先制点で優位に立った。後半もコンパクトな陣形を保って相手陣内で攻め続け、連続ゴールで勢いに乗った。守備ではDF星が対人守備で強さを発揮し、GK鹿野を中心に無失点で締めた。

 岩渕「結果を出せてうれしい」

 今季最多6ゴールを奪って完勝したいわきFC。圧巻の攻撃力でチームをけん引したのは右MFに入った岩渕弘人だ。「(1試合3得点は)大学生以来。結果を出せてうれしい」と3ゴール1アシストの活躍に笑顔を見せた。

 前半終了間際のコーナーキックで、相手GKがボールをキャッチし損ねるミスに素早く反応した。足を伸ばして4戦ぶりのゴールを奪い、攻めあぐねていたチームにラッキーな形で先制点をもたらした。後半3分には、ペナルティーエリア手前でMF永井颯太との細かいパス交換からゴール中央に侵入すると右足を一閃。2点目のゴールネットを揺らした。

 「貪欲に3点目を狙いにいった」と振り返るように、その後も積極的にゴール前に顔を出した。待望の3点目は同27分、DF日高大が左サイドで粘ってゴール中央へクロスを送り込むと、狙い通りに右足で流し込んだ。客席へ向けて3本の指を掲げ、敵地へ駆け付けたいわきサポーターの熱狂は最高潮に達した。

 これで引き分けを挟んで5戦負けなしと上位をキープするいわき。ただ、大勝にも村主(すぐり)博正監督は「まだまだやるべきことがある」と満足はなかった。参入初年度で快進撃を続けるいわきの底が知れない。(坂本龍之)

 山口復帰「びびらずやれた」

 頼れる14番がピッチに戻ってきた。左膝前十字靭帯(じんたい)を断裂し、長期離脱していたいわきのMF山口大輝が後半途中から出場した。「びびらずやれた」とJリーグのピッチに初めて立った感想を語った。

 昨年9月のJFL以来となる公式戦のピッチに送り出されると、「追加点を奪いにいくぞ」と大差をつけたチームをもう一度もり立てた。左MFに入り、攻守を組み立てるパスや積極的な攻撃参加で存在感を示した。

 「昨年よりもいわきらしさが増している」と、J3での仲間の奮闘ぶりに刺激を受けていた山口。精神的支柱の存在が、上位争いをするチームをさらに後押ししてくれそうだ。