いわきFC逆転勝ち、首位浮上 有馬がロスタイム殊勲

 
【讃岐―いわき】後半49分、逆転ゴールを決めたいわきのFW有馬(中央)=香川県丸亀市・ピカラスタジアム

 サッカーJ3のいわきFCは12日、敵地のピカラスタジアム(香川県)でカマタマーレ讃岐と対戦し2―1で逆転勝ちした。通算成績は8勝3分け1敗で首位に浮上した。いわきFCは次戦の19日、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)でギラヴァンツ北九州と対戦する。午後1時開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは後半に強さを発揮。試合終了間際に決勝点を挙げ逆転勝利した。前半、いわきはロングボールを起点とする得意の攻撃を讃岐に封じられ、得点につながらない時間が続いた。先制点を許し0―1で前半を折り返すと、後半3分、DF日高が直接フリーキックを決めて同点とした。後半ロスタイムにFW有馬が頭で押し込んだ。(石井裕貴)

 有馬「気持ちで入れた」

 1―1で迎えた後半ロスタイム。「このまま引き分けか」との雰囲気も漂う土壇場の出来事だった。DF嵯峨理久の浮き球のパスに、FW有馬幸太郎が頭で合わせ、ゴールネットを揺らした。「狙っていたわけではなかった。気持ちで入れた」と殊勲のゴールを振り返った。

 序盤は讃岐に押し込まれる時間が続いた。前半に失点し追う展開となったが、絶好調の10番に焦りはなかった。「序盤は攻撃がつながらなかったが、自分たちの走り負けないサッカーを続ければ相手が先に疲労すると思っていた」。冷静に勝機を待っていた。

 いわきは後半早々に追い付くと、粘り強く何度も攻撃をたたみ掛けた。その積極的な姿勢が決勝点を生んだ。有馬は4試合連続のゴール。「最後は自分だったが、どんなゴールにも仲間たちが関わっている。みんなで奪ったゴールだ」と謙虚さものぞかせた。

 この日の勝利でリーグ首位に浮上したいわき。「厳しい状況で戦うことが自信につながっている。慢心せずに勝利のためにプレーする」。いわきの10番はまだまだ上を見据える。(石井裕貴)

 DF家泉、古里・香川で奮闘

 いわきのDF家泉怜依は香川県出身。Jリーガーとして初めて、古里の地のピッチに立った。「両親や友人たちに戦う姿を見せることができて良かった」と話したが、失点したことへの反省も口にした。

 家泉は先発起用されたが、前半33分に讃岐に先制点を許した。その8分後、フリーキックからヘディングシュートを放った。惜しくも、相手GKのファインセーブに阻まれた。

 身長185センチの大柄な体形と得意のヘディングから、流経大時代から「香川の大砲」と呼ばれている。この日は足の疲労からフル出場できなかったが「カマタマーレと試合したことで、改めてプロになった実感が持てた。もっと上のカテゴリーで戦えるよう努力したい」と決意を語った。