いわきFC、後半2発 宮崎に一昨年の雪辱

 
後半7分に先制点を挙げたいわきのMF谷村(左)=Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第15節、いわきFCは2日、ホームのJヴィレッジスタジアムでテゲバジャーロ宮崎と対戦し、2―0で快勝した。通算成績は9勝4分2敗で、順位は2位のまま。いわきは次戦の10日、アウェーの岐阜メモリアルセンター長良川競技場(岐阜市)でFC岐阜と対戦する。午後7時開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】競り合いの強さを発揮したいわきが宮崎を振り切った。前半は互いに好機をつくったが、決め手に欠いた。後半、競り合いでいわきが勝る場面が目立ち始めると、7分にMF谷村、14分にFW有馬が得点。ともに中盤でのボールの奪い合いを制し、鋭い攻めを結実させた。その後は守備を意識した選手起用などにより宮崎の反撃を許さず、着実に3試合ぶりの勝利を引き寄せた。(小磯佑輔)

 少ないパスでゴール、理想の展開

 いわきがJFL時代に悔しい敗戦を喫した宮崎に、Jリーグの舞台できっちりと借りを返した。「いわきが高みを目指す上で倒さなければならない相手だった」。先制点でいわきに勝利をもたらしたMF谷村海那は、言葉に力を込めた。

 いわきは2020年、JFLからJ3昇格の可能性を残した最終節で敗れ、あと一歩のところで昇格を逃した。その相手こそが、この年J3昇格を決めていた宮崎だ。MF山下優人やDF日高大、GK坂田大樹らはピッチで、谷村はベンチの外で涙をのんだ。

 Jの先輩でありライバルの宮崎を相手に、いわきは今季の勢いをそぐことなくチームの強みをぶつけた。ボールをつないでゴールを目指す宮崎に対し、鋭い守備からカウンターを繰り出してゴールに迫った。

 勝負の分かれ目となった得点は、どちらも狙い通りのショートカウンターが起点だった。中盤で競り勝ち、少ないパスでゴールを奪う理想の展開を体現した。リードした場面での試合運びが課題だったが、この日は危なげなく、無失点で宮崎を封じ込めた。

 3試合ぶりの勝利で2位を維持したいわき。村主(すぐり)博正監督は「言葉には出なかったが、宮崎への(負けられない)思いがプレーに出ていた」と選手をたたえ「前節の負けから修正して結果が伴った。自信につながると思う」と首位奪還に照準を合わせた。(小磯佑輔)

 守護神坂田、8カ月ぶり復帰

 いわきの守護神が帰ってきた。GK坂田大樹はけがを乗り越え、約8カ月ぶりの公式戦復帰。「観戦に来ていた親にJリーグの舞台に立っている姿を見せることができてうれしい」と夢の一歩がかなった喜びを口にした。

 坂田は左膝を痛め、昨年12月に手術。キャンプに合流したものの、けがが再発し、さらに4カ月ほど実戦から遠ざかった。「落ち込んだこともあったが、チームの仲間や家族など大切な人たちが支えてくれた」。復帰戦ではクロスボールへの対応に安定感を見せ、無失点勝利に貢献した。坂田は「緊張したが、落ち着いてプレーできた。キックの精度を上げていきたい」と闘志をみなぎらせた。