いわきFC、前半戦躍進 縦に速い攻撃で得点量産、堅守13失点

 
試合後、サポーターと勝利を喜ぶいわきFCのイレブン=16日、広野町・Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3いわきFCは16日、広野町のJヴィレッジスタジアムでアスルクラロ沼津と戦い、シーズン折り返しとなる節目を勝利で飾った。17試合を消化して11勝4分け2敗となり、J3参入初年度にもかかわらず、暫定ながら首位に立っている。指揮官はチーム全員で戦う組織力を躍進の要因に挙げ、昇格圏の2位以上で臨む後半に向けて「強みをさらに磨きたい」と意気込む。

 いわきの身上は、豊富な運動量と身体の強さを生かした縦に速い攻撃と、攻撃的な守備からのカウンター攻撃。村主(すぐり)博正監督は「チームで戦うところがいわきの強み。誰かに頼らず、全員で攻めて全員で守るということを常に言っている」と語る。第16節時点で32得点はリーグ最多。昨季のJFL優勝の立役者となったDF日高大と嵯峨理久の両サイドバックが17試合で8ゴール9アシストを数えるなど、今季も攻撃の起爆剤となっている。

 守っても暫定で2位となった鹿児島に1点差の13失点で、リーグ2位の堅守を誇る。昨季までの主力選手と新加入選手がうまく融合しているのが要因だ。全試合に出場するMF宮本英治は「試合を重ねるごとに村主さんの目指すサッカーが良いものになっていると感じている」と手応えを語る。

 リーグ戦はまだ半分を終えたところ。「練習を重ねているミドルシュートやセットプレーなどが、少しずつ形になりつつある。それが試合で出せるかが試される」。村主監督は悲願の優勝、J2昇格に向け、表情を引き締めた。