いわきFC千金ドロー 交代直後、有田が大仕事

 
【富山―いわき】後半42分、同点ゴールを決めるFW有田=富山県総合運動公園陸上競技場(いわきFC提供)

 サッカーJ3第19節、いわきFCは30日、アウェーの富山県総合運動公園陸上競技場でカターレ富山と対戦し1―1で引き分けた。通算成績は11勝5分け2敗で順位は暫定首位。いわきは次戦の8月7日、ホームのJヴィレッジスタジアムで松本山雅FCと対戦する。午後4時30分開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは何度も好機を逃し、試合終了間際にようやく同点に追いついた。いわきは前半11分、富山の直接FKで失点。追う展開でも落ち着いてサイド攻撃を仕掛けたが、最後の詰めが甘くなかなかシュートが決まらなかった。後半42分、途中出場のFW有田が同点ゴールを決めたが、反撃はそこまで。守りに入った相手に対する決定力に課題が残った。(国分利也)

 采配ぴたり 有田、起用に応えた

 いわきの執念が富山ゴールをこじ開け、引き分けに持ち込んだ。試合終盤に華麗な同点弾を決めたいわきのFW有田稜は「得点したい、チームの勝利に貢献したいという気持ちを強く持っていた。起用に応えることができて良かった」と笑顔を見せ、「今後につながる勝ち点1になった」と手応えを口にした。

 注目の上位対決だが、富山は新型コロナウイルス感染による離脱者が相次ぎ、この試合は今季初めての布陣で挑んだ。だが、試合は前半11分に富山が約60メートルの直接FKを決め先制。さらに持ち味の堅守でいわきの波状攻撃をしっかりとはね返した。試合終盤には、いわきに敗戦ムードが漂い始めていた。

 「1分でも時間があれば得点のチャンスはある。貪欲にゴールを狙う」。後半41分に有田はピッチに立った。「ゴール前での得点力に期待して送り込んだ」(村主博正監督)という采配はぴたりとはまり、1分後のファーストタッチで有田が値千金の同点ゴールを決めた。

 有田にとって今季4点目だが、2カ月以上も得点から遠ざかっていた。「得点できない苦しい日々が続いた」と吐露。「この日の得点も、苦しい日々を支えてくれるスタッフのおかげで得点できた」と感謝を口にし「リーグ後半戦は始まったばかり。2桁得点を目指していく」と決意を新たにした。(国分利也)

 吉沢、次はゴールを

 同点ゴールを胸トラップでアシストしたいわきのFW吉沢柊。「チームに貢献できてうれしいが、やっぱりFWとしては得点で貢献したい。自分が好機を決めていれば勝てた試合だったのに」と悔しがる。

 今季初アシストとなったが、まだ得点はない。「得意のクロスへの対応の質を上げていきたい。いつ出番が来ても決定的な仕事ができるように練習からしっかり取り組んでいく」と意気込んだ。「次戦の松本山雅戦では必ず結果を出したい」とも述べた。