いわきFC シュート23本、松本と無得点ドロー、上位混戦

 
【いわき―松本】後半、敵陣深くへ攻め込むいわきのDF日高(右)=7日、Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第19節、いわきFCは7日、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)で松本山雅FCと対戦し、0―0で引き分けた。通算成績は11勝6分け2敗。順位は首位のまま。試合は7月23日に予定されていた第18節の延期分。いわきは次節の13日、アウェーのプライフーズスタジアム(八戸市)でヴァンラーレ八戸と対戦する。午後7時開始予定。

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 【評】いわきはシュート数で松本山雅を圧倒したが、相手の守備に阻まれ続けて無得点で引き分けた。いわきはロングボールを主体に何度も相手を押し込んだ。細かいパスワークによる崩しも効果的だったが、人数をかけて守る相手を前に最後の決め手を欠いた。両チーム合わせて7選手にイエローカードが出されるなど、終始、激しい競り合いが繰り広げられた。(小磯佑輔)

 いわき終始主導権、手応えも

 23対4―。シュート数の差が試合内容を物語る。いわきは終始主導権を握ったが、ゴールという結果だけはつかめなかった。

 「点を決めなければならなかった」。チーム最多5本のシュートを放ったDF日高大は落とした勝ち点を悔やんだ。

 両者の勝ち点差「1」で迎えた首位攻防戦。混戦の様相を帯び始めた優勝レースで頭一つ抜け出す機会であり、いわきにとっては前回逆転負けを喫した相手への雪辱を果たす機会でもあった。

 一方の松本山雅にとっては緊急事態下での一戦。新型コロナウイルスの影響で名波浩監督が帯同できず、選手の状態も万全ではなかった中、自陣に引いて守るサッカーを展開した。縦に速く攻めたいわきにとっては、これが攻略を難しくした一因となった。

 勝利を逃したいわきだが、手応えもあった。「シュートの機会を見逃さなくなってきていて、練習の成果が出てきている」と日高。「相手の弱点を突いた崩しもできた。相手の状況を見た攻撃をもっと出せればいい」。課題を交えつつ、前向きに振り返った。

 次戦で3試合ぶりの勝利をつかんで自信を深めた上で、福島ユナイテッドFCとの「福島ダービー」(20日、Jヴィレッジスタジアム)に臨みたいところだ。(小磯佑輔)

 猛攻の裏に安定守備

 猛攻の裏には安定した守備がある。いわきは強力なFWを要する松本山雅をシュート4本に抑え込んで無失点。先発フル出場のDF家泉怜依は「相手のカウンターを警戒した。相手に競り負けず、いわきの攻撃につなげることができた」と、収穫があったことを明かした。

 スピードとドリブルを武器に今季7得点のFW横山歩夢や身長191センチのFWルカオらと対峙。いわきが押し込んで攻めたことで生まれる自陣の広大な空間を自由に使わせなかった。家泉は「競り負けなかったが、危ない場面もあった。そうした場面を完璧に抑えることができたら、チームはもっと上に行ける」とさらなる成長を誓った。