いわき4発、福島Uに快勝 前線から積極的プレス、主導権握る

 
【いわき―福島】チーム3点目を決めるなど、活躍したいわきのFW有田〈11〉=Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第21節、いわきFCと福島ユナイテッドFCによる「福島ダービー」は、いわきのホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)で行われ、4―1でいわきFCが快勝した。いわきの通算成績は13勝6分け2敗で首位を維持。福島の通算成績は6勝7分け7敗で暫定10位。 220821iwakifc02.jpg  【評】強さと運動量で大きく上回ったいわきが福島を圧倒した。試合は90分間を通して、細かいパスワークでゴールを目指す福島と、積極的なプレスからカウンターを狙ういわきの構図が続いた。ほとんどの時間帯で主導権を握ったいわきが、前後半にそれぞれ2得点。一方の福島も好機はあったが決定力を欠き、前半終了間際に1点を返すにとどまった。(小磯佑輔)

 高い組織的守備、リズム生む

 「強くて速い」を、何度でも―。一貫してスタイルを表現し続けたいわきが、ライバル福島をのみ込んだ。「みんな練習から激しくやっている。それが良い結果につながった」とチーム3点目を決めたFW有田稜。先制点のMF岩渕弘人は「倒れない、ボールを下げない、球際で勝つ...。見てくれた人には、そういう僕たちが大切にしているところを感じてもらえたかな」と充実の表情だった。

 強度の高い組織的な守備が、この日もいわきにリズムを生んだ。前線から激しいプレスをかけ福島の選手からプレーの選択肢を奪い、パスカットを連発。そこから繰り出すカウンターも鋭く、福島を大きく上回る25本のシュートを放った。

 この日、得点を決めたのはFW陣。ただ村主(すぐり)博正監督がFWに求めているのは得点だけではない。「攻め残りして守備をさぼって得点しても全く評価しない。今日は守備をした中で点を取って勝利した。そこはFW陣全員を評価している」と村主監督。あくまでもチームで戦うことの先に得点があるという考えだ。

 チームは前節に続く大量得点で2連勝。2試合で9得点を上げた爆発的な攻撃力を引っさげ、来週は6連勝中と好調の藤枝に挑む。岩渕は「(藤枝は)波に乗っているチーム。意気込み過ぎずに、絶対勝つ」と決意を語った。 (小磯佑輔)