いわき3発、藤枝に完勝 シュート数圧倒、主導権許さず

 
【藤枝―いわき】前半20分、チーム2ゴール目を決めるいわきのMF鈴木=静岡県藤枝市・藤枝総合運動公園サッカー場

 サッカーJ3第22節、いわきFCは敵地で藤枝MYFCと対戦し、3―0で完勝した。いわきの通算成績は14勝6分け2敗で首位を維持。いわきは次戦の9月3日、ホームのJヴィレッジスタジアム(広野町)でAC長野パルセイロと対戦する。午後4時30分開始予定。 220828iwakifc2.jpg  【評】いわきはシュート数で藤枝を圧倒し、最後まで相手に主導権を許さず、快勝した。試合開始早々の前半4分、MF日高がセットプレーから先制した。同20分にはMF鈴木がボレーシュートを決め、優位に立った。押し込まれる時間が一時あったが、守備陣がシュートを1本に抑え込んだ。後半34分にDF遠藤がダメ押しの3点目を決め、試合を決定付けた。(石井裕貴)

 競争激化、チーム底上げ

 事実上の首位攻防戦だった。5位藤枝は台風などの影響で2試合未消化のため、いわきにとって絶対に落とせず、リーグ後半戦の分岐点の一つともいえる直接対決。いわきは試合開始早々に先制点を奪った後も得点を重ね、勝ち点3をつかんだ。前半に追加点を決めたMF鈴木翔大は「ボールを持った瞬間にゴールが見え、距離も自信があった。迷いがなかったからこそあのシュートが生まれた」と6月以来の今季5ゴール目を振り返った。

 チーム内の競争が激しく、リーグ前半戦は得点もあったが、出場機会が減り、ゴールから遠のいていた。常にシュートを強く打つ意識を持って練習に取り組んでいたことが、今回のゴールにつながった。

 「気を抜いている選手がいれば、今の順位にはいない。お互い刺激を受けて成長しているからこそ」と鈴木はチーム情勢を分析する。

 5月の藤枝戦は2点差を追いつかれて引き分けたが、今回は違った。クラブ新記録の6連勝中と勢いある藤枝をシュート1本、無失点に抑えた。上位チームとの戦いが続く中での勝利。「3ゴールは今後に大きなプラスになった」。29歳、チーム最年長のフィールドプレーヤーは手応えをつかんだ様子だった。

 DF遠藤、J初ゴール

 「目の前に来たボールをふかさない(浮かさない)ように押し込んだ。J初ゴールでうれしい」。いわきのDF遠藤凌は素直に喜んだ。

 J2アルビレックス新潟から6月に育成型期限付き移籍で加入したばかり。試合や練習をこなすごとに前にボールを運ぶいわきのスタイルに慣れてきた。出場は8試合目で、そのうち7戦が先発出場と欠かせない戦力になりつつある。

 この日も先発出場。攻撃力がある藤枝のシュートをわずか1本に抑え込んだ。「自信につながった。チャレンジャーとして気負わずに戦っていく」と24歳のさらなる成長に期待だ。