いわき、MF谷村が終盤決勝点 主導権たぐり寄せ長野に勝利

 
【いわき―長野】後半38分、決勝点を決めるいわきのMF谷村(左)=Jヴィレッジスタジアム

 いわきFCはホームでAC長野パルセイロと対戦し1―0で勝利した。通算成績は15勝6分け2敗で首位を維持。いわきの次戦は11日、アウェーのミクニワールドスタジアム北九州(福岡県北九州市)でギラヴァンツ北九州と対戦する。午後6時開始予定。 220904iwakifc2.jpg 【評】いわきは徐々に試合の主導権をたぐり寄せ、長野を押し切った。試合開始早々、相手に決定機を2、3度つくられたが、これを無失点で切り抜けると、強みとする攻撃的なプレスが機能し始め、カウンターから好機を増やした。後半は積極的に選手交代を行いながら攻勢を強め、後半38分に途中出場の谷村が決勝点。その後も強度を落とさずリードを守った。(小磯佑輔)

 今季最長の4連勝

 徹底した「いわき対策」にも動じない横綱相撲で、連勝を今季最長となる「4」に伸ばした。勝利の立役者となったいわきのMF谷村海那は「前半の最初は押し込まれて危なかったが、みんなが体を張って守った結果がゴールにつながった」と喜びをかみしめた。

 前半、冷や汗をかいたのはいわきの方だった。得意とする敵陣での積極的なプレスをかわされ、カウンターでも弱点とするサイドバックの裏を的確に突かれ、決定機まで持ち込まれる場面があった。

 それでも、「相手に合わせて守備的になるのは自分たちのやり方ではない」と主将のMF山下優人。ハーフタイムに戦術的な修正は行わず、後半も強気にプレスをかけ続けると、運動量で勝るいわきが次第に押し込んでいった。歓喜の瞬間は後半38分。「得点を取ってこい」と村主(すぐり)博正監督に送り出された谷村がシュートのこぼれ球に反応した。「相手を見て、落ち着いて打つことができた」。前半の緊張感から解放されるかのように、会場が一斉に沸いた。

 今季の連勝記録を伸ばし、谷村は「さらに勢いに乗れたら良い」と意気込む。次節は北九州。リードを守れず引き分けた前回対戦の悔しさを敵地で晴らす。(小磯佑輔)

 DF嵯峨、積極的に攻撃

 いわきのDF嵯峨理久の積極的な攻撃参加が決勝点を呼び込んだ。後半38分、ゴール前でMF谷村海那からパスを受けると、振り向きざまにシュート。シュートは相手に止められたが、走り込んでいた谷村がそのこぼれ球を押し込んだ。

 嵯峨はリーグトップの7アシストを誇る。その攻撃力を生かすため、後半27分からはサイドバックからポジションを1つ前に上げていた。「より攻撃に集中できた」と嵯峨。決勝点はその約10分後だった。アシストは記録されなかったが、「ゴールにつながり、とにかく勝てたことが良かった」とほほ笑んだ。

 ハーマー&ドリー背番号「8500万」

 サッカーJ3いわきFCを運営するいわきスポーツクラブは3日、クラブの公式マスコットキャラクター「ハーマー&ドリー」の背番号が「8500万」に決まったと発表した。

 ハーマー&ドリーはいわき市で1968年に発見された首長竜「フタバスズキリュウ」(和名)の化石にちなんだキャラクター。フタバスズキリュウが8500万年前に生息していたとされていることにちなんだ背番号となった。ユニフォームでの表記は「8500」