いわきFC5連勝 北九州に1-0、3試合連続零封勝ち

 
【北九州―いわき】敵地で貴重な白星を挙げ、サポーターの応援に感謝するいわきのGK坂田(21)=ミクニワールドスタジアム北九州(いわきFC提供)

 サッカーJ3第24節、いわきFCは11日、アウェーのミクニワールドスタジアム北九州(福岡県北九州市)でギラヴァンツ北九州に1―0で勝ち、5連勝を飾った。通算成績は16勝6分け2敗で単独首位をキープした。いわきは次戦の18日、アウェーのありがとうサービス.夢スタジアム(愛媛県今治市)でFC今治と対戦する。午後3時30分開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは最後まで攻め続ける勝利への執念を見せてゴールをこじ開けた。何度も決定機をつくったが、得点を奪えない嫌な展開。それでも、選手交代で流れを引き寄せた。後半39分に投入されたFW吉沢が鋭いドリブルで相手のファウルを誘い、同43分にPKを獲得。キッカーはFW有馬が務め、21本目のシュートで先制点を奪った。試合終了間際はボールを保持して時間を使い、リードを守り切った。(鈴木健人)

 守護神坂田、誕生日飾る白星

 関門海峡に面したスタジアムで、いわきの「ゴールの門番」が相手の前に立ちはだかった。「0点に抑えれば、必ず味方が点を取ってくれる」。GK坂田大樹が好セーブを見せ、3試合連続となる零封勝ちに納得の表情を浮かべた。

 21本のシュートを放ったが、決して楽な試合展開ではなかった。前半は相手にボールを回され、ゴールを脅かされる場面も。同27分には枠内にミドルシュートを打ち込まれたが、坂田が両手ではじき返し、失点を阻止した。体を張った守備が呼び水となり、後半43分にPKで待望の先制点。再三の好機で得点を奪えず、引き分けムードが漂っていただけに貴重な勝ち点3となった。

 坂田はこの日が28歳の誕生日。人生初というバースデー試合を白星で飾り、サポーターからの祝福に笑顔で応えた。ここ10試合は全てフル出場を果たし、わずか3失点という抜群の安定感。「攻撃陣がシュートで終わってくれるので、カウンターなどで攻められる回数が少ない」と冷静に要因を分析し、守護神として頼もしい姿を見せる。

 チームは単独首位を維持し、2位鹿児島、3位松本と勝ち点差4で残り10試合に突入する。「目の前の試合に集中し、いわきらしいサッカーを一戦一戦やりたい」と坂田。J2昇格の「関門突破」へ、Vロードをひた走る。(鈴木健人)

 有馬、終盤冷静にPK弾

 「ボールを狙ったところに蹴ることだけに集中した」。後半43分、いわきのFW有馬幸太郎はPKをゴール左隅に流し込み、駆け寄ってきたチームメートと喜びを爆発させた。

 PKのキッカーは練習の時から有馬が一番手を務めている。「自分で決めたかった」。緊張もあったと明かすが、重圧のかかる場面で強心臓ぶりを発揮。7月2日の宮崎戦以来9試合ぶりにゴールを決め、チーム最多タイの8得点とした。

 いわきは10試合負けなしで着実に勝ち点を積み上げている。有馬は「苦しい試合展開でもチームを勝利に導くゴールを奪えるようにプレーする」と宣言した。